有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン
文献ID:S0016529
方法
便潜血検査免疫法
AF(Analytic Framework)
7
研究方法
その他
検診方法
検診群は便潜血検査免疫1日法
対象数
検診群:194人,病院群:352人
対象集団の特性
検診群:男47.9%,年齢59.7歳
病院群:男60.5%,年齢62歳
対象集団の設定条件
青森県,弘前大学.検診発見がん・外来発見がんともに1986-92年に診断されたsm以深の大腸がん.検診発見がんは,青森県において施行された便潜血検査による大腸集検受診者からの発見がん.外来発見がんは,弘前大学病院で臨床的に診断されたがん.
評価指標
生存率
評価指標の把握
がん登録,診療録.検診発見がんと同時期に発見された外来発見がんにおいて,Dukes分類・Kaplan-Meier法による5年生存率を比較した.また,比例ハザードモデルにより性・年齢・占居部位・組織型・大きさで補正したハザード比を算出した.性・年齢・占居部位・組織型・Dukes分類などは診療録をレビューした.予後は,診療録により1993年12月31日まで確認できない場合には,死亡票や住民台帳で調査した.
結果
検診群で有意に予後が良い.検診発見がんは外来発見がんより有意にDukes Aが多く(検診発見がん43.8% vs 外来発見がん16.8%),Dukes Dが少なかった(検診発見がん5.7% vs 外来発見がん21.3%).5年生存率は検診発見がんで85.2%,外来発見がんで66.9%で,検診発見がんは外来発見がんより有意に予後良好だった.性・年齢・占居部位・組織型・大きさで補正して,外来発見がんに対する検診発見がんのハザード比を算出すると0.4(p<0.01)となった.
不利益
記載無し
研究全般に関するコメント
検診発見がんと外来発見がんの進行度や予後を比較した研究.検診発見がんは外来発見がんより有意に早期の段階のものが多く,その結果予後良好である.詳細な調査と解析がなされている.ただし,免疫1日法と2日法が混在していることと消息不明例がやや多い.