有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン

文献ID:S0016525

著者

黒石哲生/広瀬かおる/鈴木隆一郎/富永祐民

出典: 日消集検誌/ 37巻, 1号, 71-5頁/ 発行年 1999年

方法

便潜血検査免疫法

AF(Analytic Framework)

1

研究方法

時系列研究(および地域相関研究)

検診方法

便潜血検査免疫法

対象数

高率実施地区(278市町村)は,前期人口2,535,478人・前期大腸がん死亡2,905人,後期人口2,470,639人・後期大腸がん死亡3,284人.
対照地区(556市町村)は,前期人口1,4812,250人・前期大腸がん死亡14,890人,後期人口14,875,755人・後期大腸がん死亡18,545人.

対象集団の特性

全年齢の男女

対象集団の設定条件

最新4年間の大腸がん検診の平均カバー率の高い(30%以上)の市町村と地域特性をマッチさせて選んだ対照市町村(マッチ変数:大腸がん死亡率,人口規模,国保加入率)

評価指標

大腸がん死亡率(前期:1986-90年と後期:1991-95年)

評価指標の把握

大腸がん検診の高率実施地区と対照地区における大腸がん死亡率の推移を比較.

結果

1)高率実施地区の定義を受診率30%以上とした場合:年齢階級別にみると,高率実施地区のほうが対照地区より大腸がん死亡率がより低下していたか,上昇が小さかった.全年齢の大腸がん調整死亡率は,高率実施地区で1.1%低下し,対照地区では6.5%上昇していた(p<0.01).40-69歳の大腸がん調整死亡率は,高率実施地区で4.3%低下し,対照地区では8.0%上昇していた(p<0.01).
2)高率実施地区の定義を受診率40%以上とした場合:年齢階級別にみると,高率実施地区のほうが対照地区より概ね大腸がん死亡率がより低下していたか,上昇が小さかった.全年齢の大腸がん調整死亡率は,高率実施地区で1.8%低下し,対照地区では4.2%上昇していた.40-69歳の大腸がん調整死亡率は,高率実施地区で2.7%低下し,対照地区では6.3%上昇していた.

不利益

記載無し

研究全般に関するコメント

対象地区の抽出に日本全国3,255市区町村を用いた大規模な研究.対照地区には,1986-90年の大腸がん死亡率・人口規模・国保加入率の3者を用いて,高受診率地区に類似した地区を選ぶなどの工夫が見られる.
一方,大規模な研究のため,入手できる情報に制約が多くなる.著者らが述べているように,検診受診率は1992-95年しか把握できずそれ以前のデータは不明である.これとやや関連するが,各市区町村の検診導入時期も論文中では述べられていない.
結果は大腸がん検診による大腸がん死亡抑制効果を示唆するものとなったが,比較する期間を検診導入時期の前後とし,もう少し長い観察期間を設定したら,より効果が明らかになった可能性はある.

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