有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン

文献ID:S0016509

著者

村上良介/今西 清/大谷 透/中西克巳/筆本由幸/石川秀樹/日山與彦/津熊英明/三木信夫/大島 明

出典: 成人病/ 33巻, 1-7頁/ 発行年 1993年

方法

便潜血検査化学法

AF(Analytic Framework)

3

研究方法

検査精度

検診方法

便潜血検査化学法:Shionogi AおよびB,3日連続の制限食後の便の一部を臨床検査技師が試験紙に塗布

対象数

3,449人

対象集団の特性

男性が79.8%を占め,40-69歳が86.0%

対象集団の設定条件

大阪府立成人病センターの人間ドック受診者で,大阪府在住者

評価指標

大腸がんに対する感度

評価指標の把握

大阪府がん登録による2年間追跡の結果をgold standardとして便潜血検査の偽陰性を把握する

結果

大腸がんに対する感度はShionogi A:62.5% (10/16),B:43.8% (7/16) であった.
胃がんに対してはA:11.8%,B:5.9%,食道がんに対してはA:20.0%,B:20.0%と低かった.

不利益

がんに対する感度が低い

研究全般に関するコメント

一般的に地域がん登録をgold standardとして用いるには届出精度が極めて高いことが必要である.届出漏れの可能性を考慮すれば,得られた結果は実際の感度よりも過大に評価していると考えられる.本研究は便潜血検査化学法 (Shionogi A&B) を用いていること,臨床検査技師が検体をろ紙に塗布していることなど,現状にはそぐわない.しかしながら,便潜血検査が上部消化管がんに対しては診断精度が極めて低く,便潜血陽性者に対して上部消化管検査は必要ないことを示したのは評価できる.

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