有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン

文献ID:S0016498 PMID: 8490540

著者

Wahrendorf J/Robra BP/Wiebelt H/Oberhansen R/Weiland M/Dhom G

出典: Eur J Cancer Prev/ 2巻, 221-7頁/ 発行年 1993年

方法

便潜血検査化学法

AF(Analytic Framework)

1

研究方法

症例対照研究

検診方法

便潜血検査化学法:Hemoccult

対象数

症例群:ドイツのSaarland地区の病理診断施設で同定された2,790人の大腸がんで,診断時45-74歳で,時期は1979-1985年.これらを追跡すると1983-1986年に55-74歳で647人死亡.GPで死因を確認しところ,男性244人,女性278人の大腸がん死亡例を同定.更に,検診受診歴が把握できたのは,男性220人,女性209人.男性は,GPについてマッチ出来る対照が無い者があり,最終的には163人.
対照群:個別に性・年齢,GPをマッチさせた対照男性694人(1:1から1:5までの症例・対照比で).女性も男性の場合と同様に2,718人の対照候補を同定.次に,55-74歳の女性1,982人に電話でGPと婦人科の受診状況を調査した結果に基づいて,GP及び/あるいは婦人科への受診状況別の分布を想定.その分布に合わせて検診受診歴を該当医療機関で調査.最終的に846人の対照を同定.

受診率

大腸がん診断前6-36ヶ月のFOBT受検率
症例(男)13% 症例(女)16%
対照(男)14% 対照(女)28%
精検受診率は記載なし

対象集団の特性

55-74歳 男女

対象集団の設定条件

Saarland.家庭医と産婦人科医でFOBTスクリーニングを行った男女

評価指標

大腸がんによる死亡リスク

評価指標の把握

ドイツのSaarland地区の病理診断施設で同定された2790人の大腸がんと診療録

結果

6-36か月のFOBT受診で大腸がん死亡のオッズ比:男性0.92(95%CI, 0.61-1.75) 女性0.43(95%CI, 0.27-0.68)

不利益

記載無し

研究全般に関するコメント

症例の確定が直接の情報によらず,生検から推定.対照の選択に問題あり.受診歴の定義もあいまいで,症状受診が多い.全体として症例の情報,対照の選択条件に仮定をおかざるをえない状況で行っている.

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