(旧版)腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン

文献ID:S0007691 PMID: 6857385

著者

Weber H

出典: Spine/ 8巻, 2号, 131-40頁/ 発行年 1983年03月

研究デザイン

4. RCT (Randomized Controlled Trial)

Evidence Level

Level 2

研究施設

Ulleval Hosp.

目的

腰椎椎間板ヘルニアに対する手術治療と保存療法の長期予後を比較検討すること。

研究期間

1970-71年に治療を行い、10年FU

対象患者

神経根造影にてL5またはS1-Rと診断された280人を、まず2週床上安静とし、その間に手術絶対適応67例(II 群:著しい痛み、筋力の著しい低下、BBDを示すもの)、手術非適応87例(III 群:安静にて症状軽減)を除外し、残る126例を対象とした。

症例数

126

追跡率(%)

81.7

介入

別施設からの封筒法によるrandomな振り分け
I(a)群(66例):保存療法(Back schoolなど)
M36、F30、平均41.7歳、痛みによって1-11ヵ月後に結局手術したのが17例
I(b)群(60例):手術治療(いわゆるLove変法)
M32、F28、平均40.0歳、手術拒否1例、最終FU時死亡3例・不明2例

主要評価項目とそれに用いた統計手法

1)治療開始1、4、10年後における、質問用紙による患者自己4段階評価(good-fair-poor-bad):chi-square test
2)悪化/非悪化、労働可能/不能、筋力低下有/無、疼痛(腰痛と下肢痛)有/無、脊椎可動域について、FU時両群を比較(直接検診にて):分割表はchi-square test、2群比較はStudentのt-test
3)その他予後を左右する因子を、4、10年後においてcross-sectionalにsurvey

結果

1)1年後I(a)群:good 16、fair 24、poor 9、bad 0、痛みのため手術17
I(b)群:good 39、fair 15、poor 5、bad 0、手術拒否・保存1
4年後I(a)群:good 25、fair 19、poor 3、bad 2、痛みのため手術17
I(b)群:good 39、fair 9、poor 8、bad 0、手術拒否・保存1、死亡1、不明2
10年後I(a)群:good 27、fair 18、poor 4、bad 0、痛みのため手術17
I(b)群:good 34、fair 16、poor 4、bad 0、手術拒否・保存1、死亡3、不明2
1年後のみI(b)群が有意に結果が良い。4年・10年後は有意差なし。
2)各項目でI(a)・I(b)両群間に有意差なし
3)23項目に渡ってsurveyするも、予後に関連したのは年齢のみ(若い方が成績良し)

結論

治療後1年の時点では手術治療の成績が保存療法を上回っていたが、4年・10年後では有意な差を認めなかった。
椎間板ヘルニアに対するBack schoolを中心とした保存療法の長期予後は、手術療法に遜色ないものと結論している。

コメント

問題点
1)I(a)群に振り分けられたが、痛みのために手術になったのが17/66(25.8%)あり、バイアスが大きい。著者はこの患者を対象に入れても入れなくても結果は変わらないとしているが、この17例はbadと評価すべきではないかと考える。
2)re-opeの例が5例あり、これらが最終的にgoodとfairに入って集計されている。これもbadと評価すべきではないかと考える。

作成者

若林良明

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