(旧版)腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン

文献ID:S0007624 PMID: 11725240

著者

Karppinen J/Ohinmaa A/Malmivaara A/et al.

出典: Spine/ 26巻, 23号, 2587-95頁/ 発行年 2001年12月

研究デザイン

4. RCT (Randomized Controlled Trial)

Evidence Level

Level 2

研究施設

Department of Physical Medicine and Rehabilitation, University Hospital of Oulu、 Kajaanintie 50、 FIN-09220Oulu、 Finland,

目的

坐骨神経痛を有する患者のステロイドによる根周囲への浸潤注射の経済効率を明らかにする。

対象患者

片側の坐骨神経痛を有する160人の患者。

症例数

160

対象人種

白人

介入

無作為に80人にステロイドを、80人に生食を根周囲に浸潤注射した。

主要評価項目とそれに用いた統計手法

結果評価は、下肢痛(100-mm visual analog scale)、Oswestry腰痛障害アンケートでの障害度と、ノッチンガム健康プロフィール(Nottingham Health Profile)で行った。
ANOVA, Fisher's exact two-sided test、 area-under-the-curve (AUC) methoD, Student's t test、Kaplan-Meier curve test、 log-rank test

結果

ヘルニアを有した症例では、ステロイド注射は下肢痛に関してと、ノッチンガム(Nottingham)健康Profile において、明らかな治療効果と短期の有効性を認めた。
L3-L4-L5レベルの症状を有する病変に対して、ステロイドが下肢痛、障害度、短期間でのSLRにおいて、生食より優れていた。
1年まででは、ステロイド注射がヘルニアを有したケースの手術への移行を予防する傾向がみられ、この治療群では各患者の費用は12,666ドル以下であった(P<0.01)。
extrusion型のヘルニアに対しては、ステロイド注射が手術の割合を増加させる傾向がみられ、そしてステロイド注射により4445ドルの費用がかかり、より高価であった(P<0.01)。

結論

神経根周囲へのステロイド注入は、ヘルニアを有した症例とL3-L4-L5レベルの症状を有する病変に対して短期的な有効性がみられ、ヘルニア症例では、外科手術への移行を減少させた。
一方、extrusion型のヘルニアに対しては、逆効果であった。

コメント

データとして信頼性あり。

作成者

東 永廉

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