(旧版)腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン
文献ID:S0007563
PMID:
9383853
研究デザイン
7.Case-Control Study
Evidence Level
Level 6
研究施設
University Hospital of Tromso, Tromso, Norwey
目的
椎間板ヘルニアの型の違いによる炎症の特性の違いを調査すること。
研究期間
1995年4月−11月
対象患者
37名の腰椎椎間板ヘルニアの手術患者、年齢18−56歳
症例数
37
介入
手術時にSprangfort によるヘルニアの分類(contained or noncontained hernia )で評価した。ヘルニアまたは髄核から採取された検体は細分され Tumor Necrosis Factor (TNFα)、インターロイキン6、Thromboxane B2(TxB2)、ロイコトリエンB4、ヘモグロビン(Hgb)の測定が行われた。
主要評価項目とそれに用いた統計手法
痛み(VAS)、臨床所見、Oswestry LBP Disability Questionnaire
two-tailed t test, simple regression analysis
結果
手術所見では椎間板ヘルニアの形態はbulging disc 3, contained type 26, noncontained type 9 であった。 interleukin-6 またはTNF アルファは生検中に検討されなかった。ロイコトリエンB4とトロンボキサンB2の濃度においてnoncontained 椎間板ヘルニアとcontained椎間板との間に有意差がみられ、noncontained椎間板ヘルニア群で高い濃度であった。しかしnoncontained椎間板ヘルニアとcontained 椎間板には臨床症状に統計学的な差はみられず、また臨床症状、下肢痛とロイコトリエンB4とトロンボキサンB2の値との間にも関連差はみられなかった。
結論
本研究の結果は炎症性メカニズムは腰椎椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛に影響を与えるという理論を支持し、noncontained 椎間板ヘルニアとcontained 椎間板では異なる炎症の特徴を持っていることを示す。
作成者
宮本雅史