(旧版)腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン
文献ID:S0007559
PMID:
9482677
研究デザイン
7.Case-Control Study
Evidence Level
Level 6
研究施設
Norwegian University of Sciene and Technology, Department of Neurosurgery, University Hospitals in Trondheim.
目的
神経根圧迫か炎症のどちらが椎間板ヘルニアにおける根性痛の重要なメカニズムであるか評価するために、C-fiber 機能(温感覚)とA-delta 線維機能(冷覚)調査した。
対象患者
神経学的にも画像検査上でも明らかな片側性の坐骨神経痛のある40人
椎間板ヘルニア32例(contained 22, non-contained 10)
症例数
40
介入
片側性の坐骨神経痛のある40人について、温覚、冷覚を調査し、健側と比較した。
主要評価項目とそれに用いた統計手法
症候性と非症候性と、両下肢の闘値:スチューデント t 検定
症候性、非症候性の違い、年齢、疼痛の強度:ピアソン相関係数
結果
坐骨神経痛のある部位では温覚の闘値は、非症候性の側と比較して、症候性の側でかなり上昇していた。
手術で診断の確立された椎間板ヘルニアの32例においては、温覚、冷覚の両方の闘値の有意差が症候側と非症候側の間に見られた。
結論
片側性坐骨神経痛を持つ患者は、C-fiber 機能の障害を示唆する温覚の闘値が上昇しており、冷覚の闘値は椎間板ヘルニア症例で上昇していた。このことは有髄神経が無髄神経より、加圧による影響を受けやすいことを示し、坐骨神経痛の疼痛がみられることについては加圧より炎症が重要なことを示唆している。
作成者
元文芳和