(旧版)腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン
文献ID:S0007544
PMID:
8720408
研究デザイン
7. Case-Control Study
Evidence Level
Level 6
研究施設
東京医科歯科大学整形外科、日本
目的
神経根症を伴った椎間板ヘルニアの自然経過を臨床症状と合わせて調査。どのようなタイプのヘルニアが自然消退しやすいのか、またどの程度の期間で消退が生じるのか調査。
研究期間
記載なし
対象患者
椎間板ヘルニアによる片側下肢痛を示した77例。男48例、女29例、平均年齢41歳(18-86歳)。保存的治療にて経過観察。
症例数
77
介入
脊柱管狭窄症、すべり症などを除外した椎間板ヘルニア患者に対して保存的治療を行い、ヘルニアのtypE、形態変化をMRIにて観察し、臨床症状の推移と対比。
主要評価項目とそれに用いた統計手法
ヘルニアの形態をMRI T1矢状面像で3typeに分類。ヘルニアの形態変化をMRIにて消失から変化なしまでの4段階に分類。臨床成績評価はExcellent からPoor まで3段階評価。
nonparametric methoD, Spearman rank correlation test、 Kruskal-Wallis test
結果
64例においてMRI 形態変化と臨床症状が相関(P<0.001)。type 1ヘルニアはほとんどMRI形態変化を示さなかったが、type 2(PLL 穿破?)、type 3(migration)は多くが形態変化を示した。とくにtype 3は77.8%が著明なヘルニアの縮小か消失を示した(P<0.001)。16例ではヘルニア形態変化が見られたのは初回MRI 撮像後3ヵ月以内であった。著明なヘルニアの縮小を示した患者の下肢痛持続期間は、わずかなヘルニア縮小を示した患者のそれよりも若干短かった(P<0.01)。
結論
ヘルニアのMRI 上の形態変化は臨床症状の推移によく相関しており、症状軽快の方が形態変化よりも先行する傾向にあった。ヘルニアの消退はmigration type のものに多く見られた。
コメント
データとして信頼性あり。
作成者
森 英治