(旧版)腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン
文献ID:S0007541
研究デザイン
13. その他
Evidence Level
Level 11
研究施設
新潟大学医学部整形外科
目的
脱出椎間板の吸収反応に関する組織学的特徴を検討。
研究期間
不詳
対象患者
1. 臨床病理学的研究:sequestrationタイプの腰椎椎間板ヘルニア35例の手術時摘出標本、男性32例、女性3例、年齢は平均50歳。
2. 実験的研究:雑種成犬10頭。
症例数
35
介入
実験的研究において、腰椎椎間板の線維輪部と軟骨終板部を別々に硬膜外に留置。
主要評価項目とそれに用いた統計手法
1. 臨床病理学的研究:椎間板ヘルニア手術時摘出標本の光学顕微鏡による観察、免疫組織学的にCD68を一次抗体としてマクロファージの存在を検討。
2. 実験的研究:2、4、8、12、24週間後、組織学的に検討。
結果
1. 臨床病理学的研究:35例中30例の脱出椎間板の線維軟骨辺縁部に、多くの小血管ならびに多数のマクロファージが認められた。CD68を用いた免疫組織化学染色でも、マクロファージと思われる細胞が多数みられた。紡錘形細胞の多くがCD68陽性であった。新生血管や多数のマクロファージの間に、軟骨細胞や器質が島状に散在していた。35例中10例に、ヘルニア腫瘤内に軟骨終板と思われる硝子軟骨を認めた。硝子軟骨部の周囲には小血管を認めたが、血管の内部への侵入は認められなかった。硝子軟骨の辺縁に接して多核の巨細胞が散見された。
2. 実験的研究:線維軟骨部には2週後、すでに新生血管および多数のマクロファージの浸潤が認められた。時間の経過とともに線維輪は縮小、24週後には完全に消失しているものもあった。硝子軟骨内部には血管新生は認められなかった。硝子軟骨表面にはTR-ACP染色陽性の多核巨細胞や単核細胞が認められた。時間の経過とともに硝子軟骨も縮小、しかし
24週後にも残存していた。
結論
1. 出型椎間板ヘルニア組織には生体の吸収反応が生じる。
2. 線維軟骨と硝子軟骨には異なった吸収反応が生じる。
3. 硝子軟骨は線維軟骨に比し吸収に時間を要することが示唆された。
作成者
山口 潔