(旧版)腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン
文献ID:S0007540
PMID:
10982662
研究デザイン
8. Case Series
Evidence Level
Level 7
研究施設
順天堂大学医学部附属浦安病院整形外科
目的
腰椎椎間板ヘルニアの手術時摘出標本を用いて免疫組織学的な検討を行う。
対象患者
腰椎椎間板ヘルニアの手術例のうち、摘出標本が組織学的に検索できた48例49椎間板
男性38例(38椎間板)、女性10例(11椎間板)、年齢33.6(19-78)歳
症例数
48
介入
ヘルニア形態を4型に分類(protrusion ; P、subligamentous extrusion ; SE、transligamentous extrusion ;TE,、sequestrasion ; S)
PとSEは膨隆部を含んだ椎間板組織を採取、TEは脱出部と母椎間板組織、Sは遊離部と母椎間板組織を別々に採取してHE染色を行った。
ヘルニア腫瘤辺縁部に炎症細胞浸潤がある場合は、抗ヒトT細胞(UCHL-1)、抗ヒトB 細胞(L26)、抗ヒトマクロファージ(CD68)、を用いて免疫染色を行った。
結果
PとSEでは髄核が多く認められ、線維輪は少なかった。
TEとSでは多くは小血管を伴った線維輪であった。
27椎間板(TE ; 10、 S ; 17)のうち19椎間板(TE ; 7、 S ; 12)のヘルニア腫瘤辺縁部に炎症細胞浸潤を認めた(70%)。
この炎症細胞にT細胞とマクロファージが含まれていることを確認した。
結論
脱出遊離ヘルニアの70% に炎症細胞浸潤が認められ、免疫染色でその細胞はT細胞とマクロファージであった。これらの細胞の貪食作用によりヘルニア塊は吸収される可能性がある。
コメント
残りの30%では吸収されるかどうか不明。
作成者
佐藤公昭