「科学的根拠(evidence)に基づく白内障診療ガイドラインの策定に関する研究」厚生科学研究補助金(21世紀型医療開拓推進研究事業:EBM分野)
文献ID:S0005336
Ev level
IV
対象患者と研究施設
石川県志賀町在住の40歳以上の老人性白内障男性405例、女性1010例の1415例
目的と方法
日本人地域住民における白内障疫学調査
問診のほか、水晶体の撮影記録を含む眼科一般検査が施行された。水晶体混濁の程度を3段階に分け、その有所見率をみた
結果
初期の老人性変化までを含んだものの有所見率は、40歳代で29.1%、50歳代で52.8%、60歳代で68.9%、70歳代で81.8%、80歳以上で98.1%であった。進行した混濁は、40歳代で1.3%、50歳代で2.0%、60歳代17.4%、70歳代28.2%、80歳以上59.3%であった。この中で白内障が原因で視力0.6以下のものは、60歳代で6.3%、70歳代で18.8%、80歳以上で43.3%にみられた。混濁の形態は、皮質白内障が主で、皮質と核部、あるいは後嚢下との混合型がこれについだ。核部単独の混濁は少なかった。70歳以上の対象者の10%に、水晶体の混濁を示さないものがみられた