「科学的根拠(evidence)に基づく白内障診療ガイドラインの策定に関する研究」厚生科学研究補助金(21世紀型医療開拓推進研究事業:EBM分野)

文献ID:S0005032 PMID: 10889096

著者

Leske MC/Wu SY/Nemesure B/Li X/Hennis A/Connell AM

出典: Ophthalmology/ 107巻, 7号, 1267-73頁/ 発行年 2000年

Ev level

II

対象患者と研究施設

バルバドス眼疾患の参加者3427名(適格対象者の85%)。

目的と方法

バルバドス眼研究における水晶体混濁の発生率と進行率。主にアフリカ起源の40歳以上の集団における、加齢性水晶体混濁の4年累積罹患率と進行率の検討。人口ベースのバルバドス眼研究の開始から4年後に、生存対象者を再検査したコホート研究。

スリットランプ検査時に、水晶体混濁分類法II ( LOCS II ) を用いた。累積罹患率の定義は、ベースライン時に同病型の混濁が存在しなかった対象者のうち、核、皮質、後嚢下(PSC)のいずれかの混濁 ( LOCS II スコアが2点以上)の発生とした。

結果

皮質白内障の発生率は、黒人の対象者が白人より約5倍高かった(年齢性別補正相対危険度=4.7 ; 95%信頼区間 : 1.9-11.4)。黒人の集団における水晶体混濁の4年発生率は、各皮質が22.2%(20.4%-24.0%)、核が9.2%(8.2%-10.4%)、PSCが3.3%(2.7%-4.0%)であり、発生率は加齢とともに大きく上昇した。 4年間の混濁の進行率は、皮質が12.5%、核が3.6%、PSCが23.0%であり、年齢による一定の傾向はなかった。女性は、男性より、皮質および核の混濁のリスクが高く(P<0.05)、核混濁の進行率が高かった。ベースライン時点におけるPSC混濁の存在により、他病型の水晶体混濁の発生率と進行率が2倍以上になる傾向があった。当初混濁が存在しなかった対象者では、単一の皮質混濁が、追跡期間中に発生した最も主要な病型であった。視力低下が、混濁の発生を伴うことが多かった。

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