「科学的根拠(evidence)に基づく白内障診療ガイドラインの策定に関する研究」厚生科学研究補助金(21世紀型医療開拓推進研究事業:EBM分野)
文献ID:S0005012
PMID:
2071351
Ev level
IV
対象患者と研究施設
加齢性白内障に関するイタリア-米国自然史研究で収集した3646眼
目的と方法
水晶体混濁分類法II(LOCS II)の信頼性が、判定した混濁の重症度や、共存病変の存在や重症度によって影響を受けるか否かを検討した。
LOCSIIの信頼性の評価は、臨床検査者2名のスリットランプ段階評価の比較(346眼)と、スリットランプの段階評価と写真の段階評価の比較(3646眼)によって行った。
結果
皮質と核の混濁の重症度は、スリットランプ段階評価の再現性に影響しなかった。しかし、後嚢下混濁の臨床的段階評価は、後嚢下混濁の重症度が高まるにつれて、より再現性が高くなった。共存病変の進行度が高くなると、核混濁のスリットランプ診断の一致度は低下したが、皮質と後嚢下の混濁では低下しなかった。臨床的段階評価と写真による段階評価の比較は、核と皮質の混濁に関しては、特異的混濁の重症度や共存する混濁の重症度にかかわらず、非常に良好ないし優れた一致を示した。後嚢下混濁の診断に関する一致性は、軽度の後嚢下混濁を有する眼や、核や皮質の共存混濁の重症度が高い眼では低下した。