(旧版)EBMに基づく 胃潰瘍診療ガイドライン 第2版 -H. pylori二次除菌保険適用対応-
文献ID:S0028004
PMID:
12492739
研究デザイン
RCT
エビデンスレベル
レベルII:1つ以上のランダム化比較試験による
対象者(疾患/病態)
H. pylori陽性の活動性胃潰瘍症例
サンプルサイズ
120
セッティング
大学病院
追跡率
91%
予知因子:介入/要因曝露と対照
除菌群:PPI倍量+amoxycillin 1500mg+clarithromycin 800mg(1週間)
PPI群:PPI常用量(8週間)
エンドポイント(アウトカム)
潰瘍治癒
主な結果と結論
除菌率は84%であった.8週の治癒率は除菌群で30例で49%(37-62%),PPI群で49例で83%(73-93%)で有意差があった.除菌群とPPI群の治癒率は潰瘍のサイズが1cm以下で89%と100%,1-1.5cmで54%と77%,1.5cmで5%と77%でこのサイズで有意差を認めた.
効果指標値(95%信頼区間)
ITT:p<0.001
コメント
15mm以上の大きさの胃潰瘍では,H. pylori除菌単独ではPPI治療と比べ胃潰瘍の8週治癒率が有意に低かった.
Verhagenらの内的妥当性チェックリスト<スコア基準 はい:1、いいえ:0、不明:0>
治療割り付け:ランダム化されているか 1
治療割り付け:盲検化されているか 0
最も重要な予後因子について群間に差が無いか 1
適格例の基準が決められているか 1
アウトカムの検査者は盲検化されているか 0
ケアの供給者は盲検化されているか 0
患者は盲検化されているか 0
一次エンドポイントの点評価値とばらつきの指標が示されているか 1
治療企図分析(Intention-to-treat analysis)が行われているか 1
総スコア 5
アブストラクトテーブル用記述
H. pylori除菌単独の治療で,PPI治療と同等の治癒率が得られるが,潰瘍のサイズが大きい場合には胃酸分泌抑制剤の併用が望ましい.