(旧版)EBMに基づく 胃潰瘍診療ガイドライン 第2版 -H. pylori二次除菌保険適用対応-

文献ID:S0027967 PMID: 6343868

著者

Barer D/Ogilvie A/Henry D/et al.

出典: N Engl J Med/ 308巻, 1571-5頁/ 発行年 1983年

研究デザイン

RCT

エビデンスレベル

レベルII:1つ以上のランダム化比較試験による

対象者(疾患/病態)

吐血あるいは下血後12時間以内に入院した患者

サンプルサイズ

775

セッティング

大学病院,一般病院

追跡率

87.2%(シメチジン群 89.6%,トラネキサム酸群 87.9%,プラセボ群 84.2%)

予知因子:介入/要因曝露と対照

治療薬:シメチジン400mg静注その後経口
プラセボ:生食静注その後経口
比較薬:トラネキサム1g静注その後経口

エンドポイント(アウトカム)

再出血率,手術率,死亡率

主な結果と結論

トラネキサム酸は胃潰瘍からの出血も含め死亡率を低下させたが,再出血率と手術率には差がなかった.さらに多数例の検討が必要であるが,安全性から,60歳以上のリスク群でルーチン使用することを勧めている.

効果指標値(95%信頼区間)

統計学的解析法:two-tailed test

コメント

内視鏡的止血術が行われていない時代の成績.再出血率は21%,手術率16%,死亡率9.2%と高い.

Verhagenらの内的妥当性チェックリスト<スコア基準 はい:1、いいえ:0、不明:0>

治療割り付け:ランダム化されているか 1
治療割り付け:盲検化されているか 1
最も重要な予後因子について群間に差が無いか 1
適格例の基準が決められているか 1
アウトカムの検査者は盲検化されているか 0
ケアの供給者は盲検化されているか 0
患者は盲検化されているか 1
一次エンドポイントの点評価値とばらつきの指標が示されているか 1
治療企図分析(Intention-to-treat analysis)が行われているか 1

総スコア 7

アブストラクトテーブル用記述

トラネキサム酸は,消化性潰瘍を含む急性上部消化管出血の死亡率をプラセボと比較し有意に低下させたが,シメチジン群とプラセボ群の間には差がなかった.しかしながら再出血率と手術率には三群に差はなかった.

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