(旧版)EBMに基づく 胃潰瘍診療ガイドライン 第2版 -H. pylori二次除菌保険適用対応-
文献ID:S0027917
研究デザイン
CO(コホート)
エビデンスレベル
レベルI:1b:Validating cohort study with good reference standards or CDR tested within one clinical centre
対象者(疾患/病態)
消化性潰瘍患者
セッティング
その他(仮設コホート)
予知因子:介入/要因曝露と対照
健保診療下で可能な除菌前後でのH. pylori診断の各strategy(UBT,生検法,抗体測定,またはその組み合わせ)の比較
エンドポイント(アウトカム)
費用対効果比(正診1例あたりの医療費)
主な結果と結論
除菌前診断について:
1. 近い過去に潰瘍が診断されている場合:単独検査ではUBTが最も正診率が高く(98.9%),費用対効果に優れていた.潰瘍患者総数を108万人とすると,UBTでは総額約60億円で生検法(291〜372億円)の16〜21%となった.
2. 新たに施行した内視鏡で潰瘍が診断され,HP診断目的以外に生検が不要の場合:迅速ウレアーゼ法(RUT)を行い,陰性の場合にUBTを行うstrategyが,最も高い正診率(99.9%)が得られ,費用対効果も優れていた.
3. 新たに施行した内視鏡で潰瘍が診断され,HP診断目的以外に生検が必要な場合:鏡検法を行い,陰性の場合にUBTを行うstrategyは,最も高い正診率(99.9%)が得られ,費用対効果も優れていた.鏡検法の性能が十分でない施設では,代わりにRUT,培養法や抗体法を用いるのが次善の方法と考えられた.
除菌後診断(除菌判定)について:
UBTが最も正診率が高く(97.9%),生検法より費用対効果に優れていた.潰瘍患者総数108万人とすると,UBTでは総額約57億円で生検法(287〜354億円)の16〜20%の費用となった.
効果指標値(95%信頼区間)
感度,特異度,陽性的中率,陰性的中率,正診率,偽陽性率,偽陰性率,費用対効果比(正診1例あたりの医療費)
Verhagenらの内的妥当性チェックリスト<スコア基準 はい:1、いいえ:0、不明:0>
治療割り付け:ランダム化されているか 1
治療割り付け:盲検化されているか 1
最も重要な予後因子について群間に差が無いか 1
適格例の基準が決められているか 1
アウトカムの検査者は盲検化されているか 1
ケアの供給者は盲検化されているか 1
患者は盲検化されているか 1
一次エンドポイントの点評価値とばらつきの指標が示されているか 1
治療企図分析(Intention-to-treat analysis)が行われているか 1
総スコア 9