メニエール病・遅発性内リンパ水腫診療ガイドライン2020年版

 
 診療ガイドライン2020年版の発刊にあたって

診療ガイドライン2020年版の発刊にあたって

『メニエール病診療ガイドライン2011年版』は,厚生労働省難治性疾患克服研究事業前庭機能異常に関する調査研究班(2008~2010年度)により作成され,2011年に発刊された。その後,9年経過しこのたび『メニエール病・遅発性内リンパ水腫診療ガイドライン2020年版』として発刊することとなった。

このガイドラインの改訂に際しては,2015年~2017年度の日本医療研究開発機構研究費難治性疾患実用化研究事業「難治性めまい疾患の診療の質を高める研究班」および2016年~2017年度厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業「難治性めまい疾患に関する調査研究班」の研究活動により,遅発性内リンパ水腫を含むメニエール病診療ガイドラインの改訂に関する調査研究が行われ,診断基準と重症度分類,症状と診断,治療,疫学について最新の知見を含めた検討が行われた。特に治療において重要なテーマをクリニカルクエスチョンとしてシステマティックレビューが実施され,診療ガイドライン改訂(案)が作成された。本診療ガイドライン委員会では,その診療ガイドライン改訂(案)を元に,「Minds診療ガイドライン作成の手引き2014」に準拠して診療ガイドラインの策定を行った。そして,診療ガイドライン2020年版は日本めまい平衡医学会の理事会の審議を経て完成された。

いうまでもなくメニエール病は,難聴,耳鳴,耳閉感などの聴覚症状を伴うめまい発作が反復する内リンパ水腫疾患である。一方,遅発性内リンパ水腫は2015年に指定難病に指定された。両疾患ともめまい発作が反復する内耳性疾患であり,日常生活に支障を来す患者が少なくない。本診療ガイドラインが,メニエール病や遅発性内リンパ水腫の診療の知識の普及と診療技術の向上に役立ち,めまいに悩む患者の福音となれば幸いである。

2020年4月
メニエール病・遅発性内リンパ水腫診療ガイドライン2020年版作成委員長
將積日出夫
 
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