(旧版)女性下部尿路症状診療ガイドライン

 
2 女性下部尿路症状とは
3 その他の症状
女性に多くみられるその他の症状としては,性交および骨盤臓器脱に伴う症状,生殖器痛・下部尿路痛,生殖器・尿路痛症候群がある。生殖器・尿路痛症候群は,尿路感染症や膀胱上皮内癌などの明らかな他の病的状態が認められないものである。

1)性交に伴う症状

女性が,性交中あるいは性交後に訴える可能性のある症状のなかに,性交痛,腟乾燥および尿失禁がある。尿失禁の時期に関しては,挿入時,性交中,オルガズム時などがある。

2)骨盤臓器脱に伴う症状

骨盤臓器脱を有する女性の愁訴は,異物感(何かが下りてくるような感じ),腰痛,重い感じ,引っ張られる感じ,排便や排尿のために指で脱を整復させる必要があるなどである。

3)生殖器痛・下部尿路痛

疼痛,不快感および圧迫感は異常な知覚の一種である。疼痛は患者に対する影響が最も大きく,膀胱充満時,排尿時,排尿後,または常に起こる。
膀胱痛:
恥骨上部または恥骨後部に感じられる痛みである。膀胱充満につれて増強し排尿後に持続することもある。
尿道痛:
尿道に感じられる痛みである。
外陰部痛:
外性器およびその周囲に感じられる痛みである。
腟痛:
腟口より内部に感じられる痛みである。

4)生殖器・尿路痛症候群

膀胱痛症候群:
膀胱充満に関連する恥骨上部の疼痛があり,昼間頻尿・夜間頻尿などの他の症状を伴うものである。間質性膀胱炎は特異的な診断名であり,典型的な膀胱鏡的および組織学的所見による確認を要する。
尿道痛症候群:
排尿時に生じる尿道痛があり,通常は昼間頻尿・夜間頻尿を伴うものである。
外陰痛症候群:
持続性または反復性の外陰痛があり,排尿周期に関連したり,尿路または性機能障害を示唆する症状を伴うものである。
外陰部痛:
外性器およびその周囲に感じられる痛みである。
腟痛症候群:
持続性または反復性の腟痛があり,尿路または性機能障害を示唆する症状を伴うものである。
会陰痛症候群:
会陰痛が持続性または反復性に起こり,排尿周期と関連したり,尿路または性機能障害を示唆する症状を伴うものである。
骨盤痛症候群:
持続性または反復性の骨盤痛があり,下部尿路,腸管または婦人科的機能障害を示唆する症状を伴うものである。


 

 
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