(旧版)女性下部尿路症状診療ガイドライン
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女性下部尿路症状とは
文献レビューについてはPubMed により,2002〜2011 年について検索した。Female(女性)とlower urinary tract symptoms(下部尿路症状)とepidemiology(疫学)をキーワードとして検出された184 論文中,54 編を選択し,他に5 編を加えて,計59 編を採用した。なお,本稿で用いた用語・訳語は,2002 年の国際禁制学会による用語基準1)とその和訳「下部尿路機能に関する用語基準:国際禁制学会標準化部会報告」2)と「男性下部尿路症状診療ガイドライン」3)と「EBM に基づく尿失禁診療ガイドライン」4)を参考にした。
要約
下部尿路症状(LUTS)は,国際禁制学会による用語基準により蓄尿症状,排尿症状,排尿後症状の3 種類に大別されている。女性下部尿路症状の臨床的意義は成因,自然史,頻度,医療機関への受診などに特徴があり,性機能,妊娠および分娩,骨盤臓器脱と大きな関連がみられる。
女性に多くみられるその他の症状としては,性交および骨盤臓器脱に伴う症状,生殖器痛・下部尿路痛,生殖器・尿路痛症候群がある。生殖器・尿路痛症候群は尿路感染症や膀胱上皮内癌などの明らかな他の病的状態が認められないものである。
下部尿路症状(LUTS)は,国際禁制学会による用語基準により蓄尿症状,排尿症状,排尿後症状の3 種類に大別されている。女性下部尿路症状の臨床的意義は成因,自然史,頻度,医療機関への受診などに特徴があり,性機能,妊娠および分娩,骨盤臓器脱と大きな関連がみられる。
女性に多くみられるその他の症状としては,性交および骨盤臓器脱に伴う症状,生殖器痛・下部尿路痛,生殖器・尿路痛症候群がある。生殖器・尿路痛症候群は尿路感染症や膀胱上皮内癌などの明らかな他の病的状態が認められないものである。