(旧版)ED診療ガイドライン 2012年版
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ペロニー病(Peyronie’s disease)
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疫学,自然史,リスクファクター
■ この章の参考文献一覧
罹患率は,以前は1% 前後と考えられていたが,現在では5% 前後と考えられている2)。たとえば,ドイツのケルン地方での地域住民に質問票を送った研究での3.2%3)から,より高いものではアメリカでの前立腺癌検診のコホート534名を触診で調査した結果での8.9%4)がある。加齢とともに罹患率は上昇し,患者の2/3は40〜60歳である(平均年齢53歳)。また,前立腺癌の術後の患者1,011名を調査した研究によれば,15.9%5)と非常に高率に本疾患が発生することが報告されている。日本での最初の疫学調査は,検診センターを受診した945名と血液透析患者120名を触診で診断した結果,検診群で0.32%,血液透析群で9% 発見されている6)。
アメリカ人246名の患者を平均18カ月間フォローすることで自然史を研究した研究によると7),フォローアップ終了時に非勃起時の長さが平均0.8 mm 有意に短縮し(p=0.035),変形が改善したものはわずかに12%,不変が40%,悪化が最も多くて48% であった。また,挿入困難は42% から67% に有意に増加していた(p=0.012)。ただ,研究開始時に痛みがあった患者では,すべての患者で痛みは軽減し,89% の患者で完全に痛みが消失していた。
リスクファクターとしては,デュプイトラン拘縮が有名で,ペロニー病患者の約20% にこの常染色体優性遺伝の疾患を合併する2)。多施設で50〜69歳の住民を調査した研究によれば8),多変量解析で喫煙のオッズ比は4.6(95% 信頼区間:1.506〜14.428)であった。
アメリカ人246名の患者を平均18カ月間フォローすることで自然史を研究した研究によると7),フォローアップ終了時に非勃起時の長さが平均0.8 mm 有意に短縮し(p=0.035),変形が改善したものはわずかに12%,不変が40%,悪化が最も多くて48% であった。また,挿入困難は42% から67% に有意に増加していた(p=0.012)。ただ,研究開始時に痛みがあった患者では,すべての患者で痛みは軽減し,89% の患者で完全に痛みが消失していた。
リスクファクターとしては,デュプイトラン拘縮が有名で,ペロニー病患者の約20% にこの常染色体優性遺伝の疾患を合併する2)。多施設で50〜69歳の住民を調査した研究によれば8),多変量解析で喫煙のオッズ比は4.6(95% 信頼区間:1.506〜14.428)であった。