(旧版)ED診療ガイドライン 2012年版
ED診療ガイドライン
2012年版作成の経緯と手順
2012年版作成の経緯と手順
本ガイドラインの目的
EBM(evidence-based medicine)とは,「個人の臨床的専門技能と最良の外部の臨床的根拠と患者の好みを統合して行う医療であり」1),ガイドラインとは,「特定の臨床状況で,医療者と患者が適切な決断を下せるよう支援する目的で,系統的な方法に則って作成された文書」2)である。しかし,ED診療に関しては,前者は「個人の臨床的専門技能と最良の外部の臨床的根拠と患者(とパートナー)の好みを統合して行う医療であり」,後者は「特定の臨床状況で,医療者と患者(とパートナー)が適切な決断を下せるよう支援する目的で,系統的な方法に則って作成された文書」と読み替えて定義したい。
したがって,治療のフローチャートの各治療法の上流には,「患者(とパートナー)の希望を聞き,治療法を決定する」としている(フローチャート参照)。
したがって,治療のフローチャートの各治療法の上流には,「患者(とパートナー)の希望を聞き,治療法を決定する」としている(フローチャート参照)。
本ガイドラインの対象と作成方法
対象
初版(2008年)と同様,本ガイドラインの対象となるのは一般医家である。この場合の一般医家という言葉には,性機能障害を専門としていない多くの泌尿器科医も含まれる。作成方法
2009年にパリで開催された3rd International Consultation on Sexual Medicine(ICSM)会議の記録3)と,現在入手可能な最新のガイドラインであるEAU(ヨーロッパ泌尿器科学会)のEDガイドライン2010年版4)をたたき台とした。これらのガイドラインが作成された後の論文に関しては,PubMed で各委員が分担部分に関して文献検索し,さらに日本語の論文としては日本性機能学会雑誌の論文等をハンドサーチして追加した。論文のエビデンスレベル,推奨グレードは日本医療評価機構の「Minds 診療ガイドライン作成の手引き2007」5)に準拠した(表参照)。推奨グレードに関しては,エビデンスレベルを含めた以下の4項目を勘案して,委員全員で合議のうえ,総合的に判断・決定した。すなわち,① エビデンスのレベル,② エビデンスの多さと結果のばらつきの少なさ,③ 日本における臨床的有効性の大きさ,④ 日本における臨床上の適応性(医師の能力,地域性,医療資源,保険制度)である。
2011年4月の日本泌尿器科学会総会の際と,7月10日に会議を開き,内容を検討した後,日本性機能学会のホームページにて,8,9月の2カ月間にわたってガイドラインの草稿を公開し,同年9月の日本性機能学会学術集会にて公聴会を開催し,参加者からコメントをいただいた。そのコメントにより修正した草稿を日本性機能学会の理事に郵送し,コメントをいただき,2012年1月29日の会議でさらなる修正を加えた。その後,日本泌尿器科学会の理事とガイドライン評価委員に郵送し,コメントをいただき,それに基づいて修正を加え,同学会の推薦をいただいた。
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改訂の予定
2013年に4th ICSM 会議の開催が予定されているので,その報告集が2014年に発行される予定である。それをたたき台にして日本版を作成するので,2015年から2016年にかけて改訂版を作成する予定である。
利益相反
このED診療ガイドラインは,社会貢献を目的として作成されたものであり,その勧告内容は,科学的根拠に基づいており,特定の団体や製品/技術との利害関係により影響を受けたものではない。また,このガイドライン作成に要した費用は,すべて日本性機能学会から支出されたものであり,その他の団体や企業などの支援は受けていない。日本性機能学会では,利益相反の開示に関しての規定を設けていないため,本ガイドラインでは,日本癌治療学会の規定を参考に以下のように開示を行った。
佐田委員が,講演料をアステラス製薬(株),ノバルティスファーマ(株),持田製薬(株),第一三共(株)から受領している。また,研究費を小野薬品工業(株),日本ベーリンガーインゲルハイム(株),ファイザー(株),持田製薬(株),武田薬品工業(株),アステラス製薬(株)から受領している。
永井委員が,研究費をキッセイ薬品工業(株)とファイザー(株)から受領している。
佐田委員が,講演料をアステラス製薬(株),ノバルティスファーマ(株),持田製薬(株),第一三共(株)から受領している。また,研究費を小野薬品工業(株),日本ベーリンガーインゲルハイム(株),ファイザー(株),持田製薬(株),武田薬品工業(株),アステラス製薬(株)から受領している。
永井委員が,研究費をキッセイ薬品工業(株)とファイザー(株)から受領している。
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略語表 |
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参考文献 |