(旧版)線維筋痛症診療ガイドライン 2011

 
 
7章 ケアおよび支援の体制
3.支援体制の現状と将来展望(友の会を中心に)

1.患者会の紹介
arrow 線維筋痛症患者は200万人と推計されているにもかかわらず,医療機関や行政,一般の人たちの認知度は低い。そのために仕事場や家族にさえ病気と認められずに患者は悩むことが多い。患者が一日でも早く専門医のいる医療機関を受診できるようにアドバイスすること,誰にもわかってもらえない悩みを相談できる場をつくること等を目的として線維筋痛症友の会は2002年に発足し,2004年にはNPO法人となった。
arrow 現在は2000名の会員を有するわが国では唯一の線維筋痛症患者会だが,ほんの数人の患者で運営されている。現在の主な活動は啓蒙であり,年間3〜4回の会報の発行,各地方での勉強会・医療講演会・交流会をそのために行っており,電話相談はデイリーレベルで行っている。
arrow 会の目的のひとつである医療,行政への支援と改善を求める活動も行っている。そのうち主なものが,重症者を対象とした特定疾患の認定と,居宅支援事業(ヘルパー派遣)への追加要望,ドラッグ・ラグの解消である。これまでにも,厚生労働省に対して,署名活動(2008年時点で延べ6万8500筆あまりを提出)をはじめたびたびの働きかけを重ねている。2010年10月には参議院議員会館での市民集会を催行し,国会議員にも患者の困窮状態を訴え,早急な支援と対策を要請した。今後もそれぞれの要望の実現をめざして活動していきたい。
arrow 線維筋痛症友の会の役割のいくつかをもう少し具体的に挙げれば,患者の日常的な相談に対して解決の方向を示唆すること,線維筋痛症に関する疑問や質問を理解しやすくまた共感しやすいように患者仲間としてアドバイスすること,よりよい医療にアクセスできるためのヒントなどを提供することなどになろう。

 

 
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