(旧版)線維筋痛症診療ガイドライン 2011

 
 
7章 ケアおよび支援の体制
1.公的保障制度の解説

4.生活費等の公的保障制度

1)障害年金の受給
arrow 国民年金・厚生年金・共済年金加入中の65歳以前に病気により障害を受け,障害認定日(初診から1年6カ月経過もしくは症状固定した日)を迎えたとき,また,年金加入前の期間(20歳未満)に初診日がある病気のため障害を受け,障害認定日以降に20歳に達したとき,障害の程度が年金の基準に該当する場合に,障害年金受給の申請を行うことができる。各加入している年金事務所の窓口への相談・申請が必要である。障害基礎年金は1,2級, 障害厚生・障害共済年金は1〜3級と障害一時金にわかれている。具体的な支給額については,障害厚生・障害共済年金等については,加入年数や金額によっても支給額が違うため,障害年金の受給要件を満たしているかの確認も合わせ,相談が必要である。

2) 生活保護制度の活用
arrow 「国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利があり,国はそれを保障する」という最低限度の生活の保障が憲法に定められている。制度利用にあたっては,申請保護,基準及び程度,必要即応,世帯単位などの原則を設けている。持っている資産や能力をできる限り活用しても生活が成り立たない場合,生活保護を申請することができる。そのため,まずは,持っている資産の活用,扶養義務者(親,子,兄弟姉妹など)による援助が受けられる場合は,優先しなければならない。また,介護保険法や各種障害者福祉制度,年金制度など他の法律を用いることができる場合は,生活保護法より優先される。
arrow 具体的な生活保護の種類は,
生活扶助:衣・食その他日常生活に必要なものを購入するための費用
教育扶助:義務教育に必要な費用(学費・給食費・通学用品,学用品)
住宅扶助:家賃や住宅維持に必要な費用
医療扶助:健康保険に準じて必要な費用(現物給付)
出産扶助:分娩に必要な費用
生業扶助:就労準備に必要な費用
葬祭扶助:葬祭を行う際,扶養義務者のいない場合,葬祭に必要な費用
介護扶助:介護保険利用時の自己負担分(現物給付)
などがあり,必要な保護内容を組み合わせて扶助される。
arrow 居住地の福祉事務所への相談および申請となる。


おわりに
arrow 各種制度の活用については,問い合わせ先が多岐にわたり,対象年齢,身体状況など,利用を進めるにあたり検討すべき事項が多いため,主治医をはじめ,医療機関および行政・福祉機関の各相談員などと相談しながら,ひとつずつ調整を進めて頂くことが大切である。

 

 
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