(旧版)線維筋痛症診療ガイドライン 2011

 
 
6章 小児の線維筋痛症の診療と治療

2.若年性線維筋痛症の診断基準
arrow わが国では,小児の線維筋痛症の疾患としての認知度はまだまだ低い。症例の蓄積も少なく,独自の診断基準を得るには至っていない。現在最も頻用されている診断基準は,1990年に米国リウマチ学会(ACR)より提唱された成人の基準である1)。この基準では,広範囲に及ぶ疼痛が3カ月以上持続することと,全身18箇所に存在する圧痛点を検出することを診断の中核的所見としている。圧痛点の検出は,適切なポイントを押すことができるか否かで決まり,ポイントを5mmほどもずれると圧痛点は検出できない。加える圧力は約4kgが必要であると記載されているが1),圧の強さの問題ではなく,正確な圧痛点を探れるかどうかの問題である。
arrow 若年性線維筋痛症については,それより前の1985年にYunusとMasiらが提唱した診断基準がある2)。この基準では,器質的疾患との鑑別として,検査における炎症所見が陰性であることを大基準のひとつとして掲げている。また,小症状として睡眠障害,倦怠感や不安感,慢性頭痛や過敏性腸症候群など,10項目中3項目以上を満たすことを必要としている。

 

 
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