(旧版)線維筋痛症診療ガイドライン 2011
5章 治 療
4c.薬物療法:線維筋痛症に伴う不眠,うつ状態の薬物治療
4c.薬物療法:線維筋痛症に伴う不眠,うつ状態の薬物治療
3.線維筋痛症に伴ううつ状態の薬物療法
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線維筋痛症にうつが合併するという報告は多く,Thiemeら22)は115名の症例を対象に構造化面接を行い,74.8%にDSM-IVの1軸の精神疾患を合併し,32.2%に不安障害,34.8%がうつ病であったと報告している。 |
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Agugliaら23)は30名の線維筋痛症外来患者において83%がハミルトンうつ病スケールで7点以上であり,うつを合併していると報告している。 |
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米国で線維筋痛症に対しての治療薬として承認されているミルナシプランやデュロキセチンは抗うつ薬でもあり,線維筋痛症に伴ううつ状態に対して有効であるのは明確であるため,抗うつ薬については割愛する。しかし,プレガバリンは線維筋痛症の3つのプラセボ対照二重盲検無作為化試験のプール解析では,抑うつと不安の有意な改善は認めなかったと報告24)されている。 |