(旧版)線維筋痛症診療ガイドライン 2011
5章 治療
3.精神科的アプローチによる治療の導入
3.精神科的アプローチによる治療の導入
11.おわりに
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精神科受診においては,家族の受診を勧めても本人しか受診しない場合もあり,精神医学的な評価が十分にできないことがある。パーソナリティー障害,広汎性発達障害,気分障害は,典型的でない場合は本人だけの診察では確定診断が難しいことがある。つまり,家族や学校や職場の人などからの聴取がその診断に必要となる。 |
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また正確な診断をするためには,侵襲的な問診が必要な場合があるが,必要な患者ほど侵襲的な問診は慎重に行う必要があることから,3回の診察の中で行うことは難しい。線維筋痛症の診断・治療を受けに来ており,そのために精神医学的な評価を受けるということで受診していることから,患者の受診の動機づけは低い。必要があれば精神科での診療を継続するようにしているが,実際には既に精神科にて治療を受けている場合または精神科には受診したくないので今までも受診を勧められたが受診したことのない患者が大半であるため,基本的には3回の診療で終結することが多い。すなわち,3回の診察で扱える範囲内の診察しかできないため,その診断・治療には限界があることは言及しておきたい。 |
橋本亮太,武田雅俊 |