(旧版)線維筋痛症診療ガイドライン 2011

 
 
5章 治療
3.精神科的アプローチによる治療の導入

9.治療の導入
arrow 治療の導入においては,精神疾患が認められるかどうかによって異なる。ない場合はもちろん精神科でのフォローは必要なく,精神疾患が認められる場合についてのみ今後概説する。精神疾患がある場合は,既に精神科・心療内科などに通院している場合と通院していない場合で対応が大きく異なる。
arrow 通院している場合は,基本的に今通院している精神科医のもとでの治療を継続することを前提に,病名の説明などを行う。精神科においては,同じ主治医の一貫した方針のもとで治療を受けることが非常に重要であるため,現在通院している病院にて治療を続けることを推奨している。患者に強い希望があり,しかもこちらで治療したほうがよいと判断できる場合に限り,今までの主治医より診療情報提供書をもらって,こちらで治療を行う。精神科の治療を行う場合も,整形外科のリウマチ専門医の受診は必ず行う。それは,精神疾患の治療が必要であり,現在の痛みに精神疾患が関わっていることが明らかであっても,精神疾患以外の理由による痛みが合併している可能性が十分にあり,それは精神科医には判断ができないからである。
arrow 現在,精神科に通院していない患者については,患者本人がこちらでの治療を希望する場合には,治療を行う。線維筋痛症を診る病院は非常に少ないため,遠方から来ている患者が多い。そのため一般の精神科で治療を行えるような疾患の場合は,家の近くの精神科受診を勧めることも多い。線維筋痛症によく認められる精神疾患治療の各論については,他稿にて詳しいためここでは述べない。

 

 
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