(旧版)線維筋痛症診療ガイドライン 2011

 
 
5章 治療
3.精神科的アプローチによる治療の導入

8.心理検査の内容
arrow CES-DはNIMH米国国立精神保健研究所によって開発されたものである。うつ病の基本的な症状のひとつで「憂うつだ」「気がめいる」「気がしずむ」などの気分の落ち込み(抑うつ気分)の傾向を評価するための質問紙であり,20の質問から構成されている。
arrow STAIは,サウスフロリダ大学のスピルバーガー教授らによって開発された,不安を喚起する事象に対する一過性の状況反応(状態不安)と不安体験に対する比較的安定した反応傾向(特性不安)を評価するための質問紙であり,それぞれ20の質問から構成されている。
arrow YG性格検査はギルフォードの作成した3種の検査をもとにして矢田部らが作成した12個の性格因子を調べるための質問紙であり,120個の質問から成り立っているものである。
arrow バウムテストは投影法といい, あいまいな刺激である木を描かせ構図や木の様子(実や葉の有無,枝や根の形など)から,特に無意識的な側面の心理を判断する。
arrow J-FIQとは米国で開発された線維筋痛症質問票の日本語版であり,線維筋痛症の痛み,運動障害,生活機能障害,精神症状を評価するものである。
arrow WAIS-III知能検査は,最も一般的な知能検査であり,知能の多面的な評価ができる。適用年齢は16〜89歳と広く,言語性IQ,動作性IQ,全検査IQに加え,群指数を測ることができる。
arrow WMS-R記憶検査は,記憶の様々な側面を評価できる代表的な記憶検査であり,言語性記憶,視覚性記憶,一般的記憶,注意/集中力,遅延再生の指標が算出される。
arrow HDS-Rは認知症の評価スケールとして,医療福祉現場などで幅広く使用されており,短期記憶や見当識(時・場所・時間の感覚など),記銘力などを比較的容易に点数化し評価できる。

 

 
ページトップへ

ガイドライン解説

close-ico
カテゴリで探す
五十音で探す

診療ガイドライン検索

close-ico
カテゴリで探す
五十音で探す