(旧版)線維筋痛症診療ガイドライン 2011
5章 治療
1.治療総論
1.治療総論
3.治療体系の確立に向けて
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線維筋痛症の本邦での治療を確立するためには,保険診療上の問題点の解決が最も大切である。 |
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線維筋痛症の保険診療に関しては,添付資料の平成21年3月26日に行われた厚生労働委員会議事録(8章-1添付資料参照)にあるように,本症の鑑別や特に本症に伴う様々な副症状を改善する効果のある治療方法の導入が大切であり,当然,保険診療の範囲でカバーできる。その後,本症に関する同委員会でもほぼ同じような結論を得ている。 |
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しかしながら,いわゆるレセプト審査に関わる担当者が本症についてほとんど把握していない場合にはいわゆる保険適応外とされ,査定対象になっているという問題がしばしば発生していることも事実である。いずれにせよ,本邦でもプレガバリンの治験が間もなく終了する。一方で,神経因性疼痛に対しても効果が示されており,保険診療の枠内でできると考える。また一方では,ガバペンチン,ミルナシプランの抗てんかん薬,抗うつ薬などにも一定の効果はあるが,保険適応となる症状が患者自身にないことには保険診療が困難というジレンマが日常診療において常に念頭にある。今後,さらに厚生労働省保険局,さらには,製薬企業の協力も得ながらEBMに基づいた治療法を確立することが急務であり,また,線維筋痛症の多彩な副症状に対する適切な保険診療の確立が望ましい。 |