(旧版)線維筋痛症診療ガイドライン 2011
4章 鑑別診断
5.線維筋痛症と精神疾患の鑑別
5.線維筋痛症と精神疾患の鑑別
9.「身体疾患として位置づけられているが精神面の影響も大きいとされる疾患」との関係
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線維筋痛症との合併や鑑別について検討を要する疾患として,顎関節症,脳脊髄圧減少症,化学物質過敏症,慢性疲労症候群,更年期障害などが挙げられることがある。これらに共通する特徴として,明らかな身体病変を有する中核群に加えて,身体所見が自覚症状を説明できるほどに重症でない,あるいは身体に異常所見がなく自覚症状のみ強い患者群があると推測される。さらに明らかな身体病変をもつとしても,それが本当に自覚症状の原因であるかどうかには慎重な検討が求められることもある。臨床単位としての意義とその範囲を明確にしておかなければ,不適切な臨床につながりやすい。 |