(旧版)線維筋痛症診療ガイドライン 2011
4章 鑑別診断
3.線維筋痛症と心療内科的疾患(心身症,ストレス関連疾患)の合併
3.線維筋痛症と心療内科的疾患(心身症,ストレス関連疾患)の合併
3.合併しやすい疾患と診断
![]() |
線維筋痛症は全身各部位に多彩な愁訴を呈してくるが6),疾患として合併することも少なくない。患者は臨床各科をまたがって受診していることが多い。 |
||||||||||
1)消化器領域 | |||||||||||
![]() |
問診,診察に加え,消化管造影,内視鏡,超音波検査,腹部CT検査などで診断,鑑別する。胃や腸管の蠕動運動,消化能力,腹部の筋緊張などの機能異常に注目する。また嚥下筋の緊張・収縮が強いと嚥下痛や嚥下困難も生じる。 | ||||||||||
①過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome:IBS) | |||||||||||
![]() |
線維筋痛症患者のIBS合併率は高く,腹痛,便秘,下痢,ガス膨満感などの症状を繰り返し,環境変化や心身のストレス,食事や飲み物などにより大きく影響を受けやすい7,8)。中枢神経系と消化管運動との関係,脳・腸相関(brain-gut interaction)がよく研究されている。サブタイプとして便秘型,下痢型,混合型,分類不能型にわかれる。 【診断】腹部の触診,聴診,打診などの診察を行い,腸蠕動の亢進や大腸ガスや便塊の存在を評価する。注腸造影や大腸内視鏡で下痢や便秘を説明する腫瘍や潰瘍,炎症などの器質的疾患が認められず,大腸運動の亢進や痙攣性の蠕動,ガス貯留など機能的な異常が認められる。実験的には大腸内圧検査で蠕動運動はストレス時に亢進し内圧も上昇,睡眠中は減弱・消失するという知見がある。 |
||||||||||
②機能性胃腸症・機能性ディスペプシア(functional dyspepsia:FD) | |||||||||||
![]() |
胃の痛み,胃もたれ,食欲不振,早期満腹感,消化不良,嘔気などを訴えて体重減少までも引き起こす。胃の弛緩能や排出能が低下すると胃液や胃内容物の逆流が生じやすい9,10)。 【診断】診察で心窩部の圧痛,冷感,漢方医学的所見として心下痞硬を認めることが多い。胃のバリウム造影検査や胃内視鏡で上記症状を説明しうる腫瘍や潰瘍などの器質的異常を認めず,生検組織でも慢性胃炎の病理学的所見(リンパ球や形質細胞などの炎症性細胞の浸潤,壁細胞の減少,胃粘膜の萎縮など)は少なく,症状はH .Pylori 感染,胃炎所見,除菌の効果などと必ずしも関連しない。 |
||||||||||
③胃食道逆流症(gastroesophageal reflux disease:GERD) | |||||||||||
![]() |
食道や胃の蠕動運動低下,腹圧の上昇,胃液の分泌増加などにより胃液が逆流し食道粘膜が障害され過酸症状,胸焼け,噯気,嘔気などが生じる。また嗄声,慢性咳嗽,胸痛,前胸部灼熱感などの消化器以外の症状も出現する。線維筋痛症ではFDによる内容物の停滞や腹直筋や腹斜筋などの過緊張による腹圧の増加が原因となってGERDが生じやすい。 【診断】胃内視鏡検査で逆流に伴う食道の発赤やびらんが認められる。ただし所見と症状が合致しないこともあり内服治療による効果で判断することもある。そのほか体位変換による造影剤の食道への逆流や,食道pHモニターによる胃液の逆流をみる方法などがある。 |
||||||||||
④神経性腹部緊満症 | |||||||||||
![]() |
線維筋痛症患者は時に腹痛や腹部膨満(妊婦のように膨らむ)を訴え,胃炎,腸炎,イレウスなどが疑われる症状を呈することがある。本症は胃や腸の器質的疾患ではなく腹壁の筋緊張が関係しており,なかなか的確な診断がなされないため対応も困難なことがある11)。同時に胃や腸の運動異常も併存し,FDやIBS症状を呈することも多い。 【診断】腹部X線,消化管造影,消化管内視鏡,腹部エコーなどで器質的所見が認められず,腹部触診で心窩部や腹直筋の緊張,圧痛を認める。これは漢方医学の心下痞硬,腹直筋攣急に類似した所見であり,痛みの主部位は腹壁である。 |
||||||||||
⑤その他 | |||||||||||
![]() |
肛門痛:排便時の痛み,直腸がひきつれるように痛い,坐位をとるのが困難などの訴えがある。嚥下機能障害:食物を飲み込めない,物がつかえる,嚥下時に痛む,などの訴えがある。 【診断】いずれも内視鏡,画像検査などで異常所見が得られないなどの,除外診断が中心である。 |
||||||||||
2)呼吸器・循環器系 | |||||||||||
①胸筋痛症候群(chest muscle pain syndrome) | |||||||||||
![]() |
線維筋痛症患者はしばしば胸の強度の痛みや呼吸困難感を訴え,循環器科,呼吸器科を受診する。非心臓性胸痛 non-cardiac chest painとも言われるもので,胸筋の緊張・攣縮により胸痛が生じ,胸郭の拡張が抑制されるために呼吸が苦しいとの症状につながる。 【診断】診察上,胸背筋や大胸筋,胸鎖乳突筋の胸鎖関節付着部位の圧痛を認め,呼吸筋,補助呼吸筋の緊張・収縮が認められる。胸部の聴診,打診,触診などに加え胸部X線,肺機能検査(睡眠時無呼吸の評価,気道過敏性試験),心電図(運動負荷心電図や自律神経機能を評価する立位心電図),心臓超音波検査などで心機能,呼吸機能などに注目する。 |
||||||||||
②睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome:SAS) | |||||||||||
![]() |
線維筋痛症患者の睡眠障害は痛みや全身倦怠感の増悪因子となっていることも多く,特にSASとの関連が論じられている12,13)。 | ||||||||||
![]() |
就寝時の無呼吸,あえぎ呼吸,激しいイビキ,頻回の中途覚醒などで気づかれることが多い。日中の過度の眠気,倦怠感,頭痛を訴え,二次的に血圧上昇や抑うつ状態,性格的変化が引き起こされることがある。SASには無呼吸中に呼吸努力を伴う閉塞型無呼吸と,呼吸努力を伴わない中枢型無呼吸がある。 【診断】簡易診断装置や夜間のパルスオキシメーターによる評価を行い,必要に応じてポリソムノグラフィー(polysomnography:PSG)を実施し,睡眠中のSpO2,心電図,脳波,眼球運動,オトガイ筋電図による睡眠段階判定並びに中途覚醒反応の検出などを測定する。線維筋痛症では閉塞型が多く,睡眠1時間当たり5回以上の無呼吸が観察され,日中の過度の眠気を伴う。 |
||||||||||
③過換気症候群(hyperventilation syndrome:HVS) | |||||||||||
![]() |
線維筋痛症患者で突然の過呼吸発作が生じ,強い呼吸困難感,息苦しさ,胸痛,失神感,四肢のしびれ,全身の痙攣などを訴えることがある。日常的な不安,緊張,胸筋の攣縮が背景にあり,疲労,運動,精神的ストレスなどで誘発される。 【診断】発作時には血液ガス検査で,PaCO2低下,pH上昇(呼吸性アルカローシス)を認める。胸部X線,肺機能検査や気道過敏性試験では異常所見を認めず,非発作時には過呼吸テストで発作が誘発される。てんかん発作を疑うときは脳波検査で鑑別する。 |
||||||||||
3)神経内科領域 | |||||||||||
![]() |
診察で全身の神経反射,筋肉の緊張,収縮,痙攣などを観察し,痛みの性状,特徴を把握する。必要に応じて筋電図(表面筋電図など),サーモメーター,各種の自律神経機能検査などを行う。線維筋痛症では筋の慢性疼痛のみならず嘔気,めまい,運動障害,倦怠感などを伴っているものである。 | ||||||||||
①緊張型頭痛(tension type headache),偏頭痛(migraine headache) | |||||||||||
![]() |
わが国の調査では線維筋痛症患者の37%に緊張型頭痛が,57%に偏頭痛が合併するとされており6),双方の混合型頭痛も多い。緊張型頭痛では非拍動性の頭痛,頭の絞めつけ感,吐き気などを訴える。偏頭痛の合併もよくみられ拍動性頭痛,嘔気,眼痛,閃輝性暗点などを訴える。 【診断】診察上,強度の肩や首のこり,後頸部の圧痛などを認める。頭部CTやMRIなどで器質的病変の除外を行う。 |
||||||||||
②むずむず脚症候群(restless legs syndrome:RLS) | |||||||||||
![]() |
線維筋痛症患者の30〜60%に合併するとされる。夕刻から就寝時にかけての下肢のむずむず感,虫が這うような異常感覚,じっと寝ていられない,身の置き所がない,などの症状から結果的に不眠に陥り,日中の眠気が増強する,集中力が低下する,うつ気分が増強する,などの症状が出現する,14)。 【診断】国際RLS研究グループの診断基準があり,4項目を提唱している15)。 i .不快な感覚を伴う下肢を動かしたいという欲求 ii .安静時や非活動時に生じる iii .歩行やストレッチで軽減,消失 iv .夕方や夜間に増強する傾向 |
||||||||||
4)婦人科領域 | |||||||||||
![]() |
線維筋痛症患者の80〜90%は女性であり婦人科的診察に加え,性周期,ホルモン分泌,腟液分泌,性機能などに注目する。月経のある線維筋痛症患者の90%は月経にまつわる愁訴を有しているため月経状態,月経周期,内分泌との関連を評価する。 | ||||||||||
①更年期障害(climacteric disorder,menopausal syndrome) | |||||||||||
![]() |
更年期障害は生殖期と非生殖期の間の卵巣機能が低下する45〜55歳頃の更年期に生じやすい,冷え・火照り・発汗・ホットフラッシュなどに代表される血管運動神経症状である。卵巣機能の低下に起因するエストロゲン濃度の低下は,モノアミンオキシダーゼの分解を抑制しセロトニン濃度に影響することが知られている。さらに精神的ストレス,社会的,環境的ストレスは大脳皮質─大脳辺縁系を刺激し視床下部の自律神経中枢に影響を及ぼし,多彩な自律神経失調症状や精神神経症状が出現する16)。 | ||||||||||
②月経関連症状 | |||||||||||
|
|||||||||||
③Vulvodynia,慢性骨盤疼痛性障害(chronic pelvic pain:CPP) | |||||||||||
![]() |
欧米の婦人科領域でよく用いられる症候名で,外陰部の灼熱感や慢性の会陰部痛を訴えるものの,明確な器質的変化のない病態を表す言葉。性交時の腟液分泌低下,腟痙攣などより性交痛,性交不能の状態に陥りやすい。 【診断】一般的な婦人科診察で器質的疾患の有無を十分に精査する。更年期障害を評価する指標としてクッパーマン指数(Kupperman index)がある17)。血管運動神経症状,知覚症状,不眠,神経質,憂うつ,めまい,全身倦怠感,関節痛・筋肉痛,頭痛,心悸亢進,蟻走感の11の症状群についてそれぞれ重症度を0(無)〜3(強)の4段階に分類し,各症状に重み付け(factor)を割り当て,factorと重症度の積を求め,11症状の積を加算することで更年期指数を求める。16〜20は軽度,21〜34は中程度,35以上は重度と評価する。更年期障害と抑うつ状態への配慮が重要で,ハミルトン抑うつ得点(Hamilton depression scale:HAM-D)などの心理テストが有用である。 |
||||||||||
5)泌尿器領域 | |||||||||||
![]() |
線維筋痛症患者の多くが泌尿器にまつわる症状を有している。頻尿,排尿痛,排尿困難,尿失禁,尿閉などの排尿障害に加え,会陰部痛,骨盤底筋群の攣縮,坐位困難,性交痛などの訴えもある。近年,線維筋痛症患者の過活動膀胱や間質性膀胱炎に関心がもたれている。 | ||||||||||
①過活動膀胱(overactive bladder:OAB) | |||||||||||
![]() |
線維筋痛症患者ではOABの頻度は高く,QOLに大きな影響を与えるが,泌尿器科専門医を受診しないことも多い。OABには潜在的な排尿筋過活動状態が共通して存在し,尿意切迫感を必須として頻尿と夜間頻尿を伴うものであるが,切迫性尿失禁は必須ではない。 | ||||||||||
![]() |
正式な名称は過活動膀胱症候群であるが,尿意切迫症候群(urge-syndrome),尿意切迫─頻尿症候群(urgency-frequency syndrome)とも呼ぶ。 | ||||||||||
![]() |
|
||||||||||
![]() |
非神経因性として i.下部尿路閉塞,ii.加齢,iii.骨盤底の脆弱化,iv.特発性,があり,線維筋痛症患者で多いのはiiiとivであろう。 【診断】2002年に国際禁制学会(ICS)による「下部尿路機能の用語の標準化」が発行されて以来,OABの初期診断は症状に基づいて行われるようになった。OABの症状と通常の尿流動態検査(UDS)所見は必ずしも相関しないことから泌尿器科医でもUDS所見なしに症状のみを根拠に治療を開始することが多い。膀胱腫瘍,膀胱結石,尿路感染などを除外する。 |
||||||||||
②間質性膀胱炎(interstitial cystitis:IC) | |||||||||||
![]() |
ICは間質の非特異的な慢性炎症による膀胱刺激症状を呈する疾患であり,頻尿,尿意切迫感,膀胱周辺(恥骨上部,尿道,会陰部,肛門部,鼠径部など)の耐えがたい痛みが特徴である。多彩な合併症を有することで知られ,米国ではICはアレルギー疾患と約40.6%,過敏性腸症候群と25.6%,偏頭痛と18.8%,線維筋痛症と12.8%に合併するとの報告がある18)。ICと線維筋痛症とは共に病悩期間が年単位と長く,下降疼痛抑制系の機能異常,痛覚過敏状態などが共通のメカニズムとして考えられている19)。 【診断】頻尿,排尿切迫などに加え膀胱充満時痛が排尿後に軽快する,恥骨上部痛,膀胱周囲が広範囲に痛む,などの症状から診断する。泌尿器科的診察に加え,尿所見,超音波,腎盂撮影,膀胱鏡などで排尿にまつわる機能に注目するが,線維筋痛症に合併するICではこれらに特異的な変化が認められないことが多い。国際的にはNational Institute of Diabetes,Digestive and Kidney diseases(NIDDK)の間質性膀胱炎の診断基準と除外基準(1987)がある20)。 |
||||||||||
6)耳鼻科領域 | |||||||||||
![]() |
線維筋痛症患者はしばしばめまい,ふらつき,耳鳴り,咽喉頭の異常感,など多彩な耳鼻科的症状を訴える。耳管は鼻粘膜と類似した粘膜構造をしており炎症性,機能性腫脹による機能不全が生じやすい。また耳管の一部は口蓋帆張筋と連結,前庭部は椎骨動脈によって血液の供給を受けており,肩や首の筋緊張でも耳管や前庭部の機能異常が生じる。嚥下筋の緊張・収縮が強いと咽喉頭異常感症や嚥下痛,嚥下困難も生じる。 | ||||||||||
① | 眩暈症:めまい,ふらつき,平衡機能障害,嘔気 | ||||||||||
② | 耳鳴症:耳鳴り,めまい | ||||||||||
③ | 耳管開放症・閉鎖症:耳閉感,音声反響,耳鳴り | ||||||||||
④ | 咽喉頭異常感症:のどの異物感・つかえ,嚥下困難,いわゆるヒステリー球,梅核気 | ||||||||||
⑤ | 味覚異常:舌表面の痛みやしびれ,味覚の低下 | ||||||||||
【診断】耳鼻科的診察に加え,頸部や肩の筋緊張,収縮を触診で確認し,耳鼻科的症状との関連を探る。画像検査(CT,MRI)で脳梗塞・脳出血,脳腫瘍を否定することは重要である。 | |||||||||||
![]() |
めまいやふらつきの鑑別には以下の検査を行い鑑別する。 | ||||||||||
![]() |
眼振検査:フレンツェル眼鏡や赤外線CCDカメラを使用し注視時,非注視時,頭位を変えた状態などで眼振を観察する。体平衡検査:両足または片足の立位で閉眼,非閉眼時のふらつきを観察,足踏み時の身体の傾きや一方向への偏りを観察する。 聴力検査:低音,高音の聴力を観察。 |
||||||||||
7)歯科・口腔外科系 | |||||||||||
![]() |
線維筋痛症の病態と共通のメカニズムも考えられており,FSSのひとつでもある4,5)。線維筋痛症の患者は日常生活上の精神的緊張が強く,噛み締め,歯軋りなどが多く,歯科・口腔外科を受診することが多い。 | ||||||||||
①顎関節症 | |||||||||||
![]() |
顎関節症の主要3症状は顎運動障害,顎関節痛,関節雑音(ゴリゴリというcrepitusと,カクンとなる弾撥音のclicking)であり,単独もしくは合併する。病態には強い噛み締め(ブラキシズム),咀嚼筋の緊張,関節包・靱帯の障害,関節円板の障害,変形性関節症などが関与する。同時に耳痛,耳閉,難聴,めまい,眼精疲労,頭痛や首,肩のこり等の症状を呈することが多い。日本顎関節学会は5つの型に分類している。
|
||||||||||
②舌痛症 | |||||||||||
![]() |
舌痛症(glossodynia)では舌の痛みや異常感を強く訴えるが,器質的な異常を認めない。火傷したような痛み,歯にこすれるような「ヒリヒリ」,「ピリピリ」感,しびれるような感覚が慢性的に何年も続く疾患である。以前より心因性と言われてきたが,近年は中枢神経系上位の脳内体性知覚回路の電気信号異常によって引き起こされる中枢性疼痛と考えられるようになった。 | ||||||||||
③口腔乾燥症:シェーグレン症候群様乾燥感,唾液分泌低下,味覚異常 | |||||||||||
④歯周炎,歯槽炎:歯肉の腫脹,疼痛,化膿 | |||||||||||
【診断】顎関節症は顎関節の運動異常,痛み,関節雑音など顎関節症の主要3症状によって診断する。顎関節部の画像診断(X線,CT,MRI)や顎運動検査,時に関節鏡による診断も行われる。歯科的診察に加え,舌苔・歯痕などの舌の性状,歯肉の腫脹や色調,口臭,唾液分泌などの口腔内の状態,肩や首,背部の筋緊張やしこりを観察する。 |
|||||||||||
8)眼科領域 | |||||||||||
![]() |
線維筋痛症の患者は筋の攣縮に由来する眼球運動の異常や神経過敏性から生じる眼科的症状も多い。眼科的には異常なしとされることが多い。ドライアイについてはシェーグレン症候群との鑑別が必要である。 | ||||||||||
①眼精疲労:眼の疲れ,眼痛,複視,かすみ目,視力低下,流涙 | |||||||||||
②羞明症:まぶしさ,眼痛 | |||||||||||
③眼乾燥症:涙分泌低下,乾燥感,羞明 | |||||||||||
④眼筋痙攣,眼瞼下垂 | |||||||||||
【診断】視力検査,視野検査,眼圧測定,シルマーテスト,蛍光眼底検査などの眼科的診察に加え,側頭筋や眼輪筋の緊張や圧痛を観察する。 |