(旧版)線維筋痛症診療ガイドライン 2011

 
 
4章 鑑別診断
2.線維筋痛症と整形外科的疾患の鑑別

5.線維筋痛症診断時のポイント(鑑別診断)
arrow 線維筋痛症を随伴しやすい整形外科疾患,リウマチ性疾患の主なチェックポイントを以下に記載する。
身体所見
a) 皮膚:皮疹,特に乾癬,掌蹠膿疱症(手掌足底)皮膚の被刺激性の亢進(針反応)等のチェック
b) 目:乾燥症状,ぶどう膜炎,虹彩炎等の眼疾患のチェック
c) 口腔粘膜:乾燥症状,再発性アフタ性潰瘍出現の有無
d) 手指:レイノー現象,指の腫脹変形,関節の腫脹変形
e) 関節,付着部:全身の関節の腫脹,付着部の腫脹(わずかな腫脹を見逃さない),仙腸関節の圧痛の有無
f) 脊柱可動性のチェック
g) 便通状態,血便,回盲部圧痛等腹部の圧痛
h) その他,外陰部潰瘍,リンパ腺の腫脹
レントゲン(X-P)所見
arrow 整形外科的疾患の鑑別診断(合併例の診断)を行う上でのX-Pのチェックポイントを表3に示す。
  a) 頸椎:頸椎症, ストレートネック(頸椎前彎の消失),下垂肩症候群(頸椎側面X-Pにて第2胸椎椎体やそれ以下の椎体が肩より上に見える),後縦靱帯の骨化
b) 胸椎:前縦靱帯の骨化,圧迫骨折,石灰沈着
c) 胸部X-P:鎖骨第1肋骨間の骨化
d) 腰椎(正面):仙腸関節の変化
e) 両膝:変形性関節症,ピロリン酸カルシウムの沈着
f) 両手両足:関節の変化(関節リウマチや変形性関節症等リウマチ性疾患の鑑別)
g) 踵骨側面:骨棘の形成

表3 X-Pのチェックポイント(整形外科疾患との鑑別)
表3
RA:関節リウマチ
OA:変形性関節症


99mTc骨シンチグラフィー:胸肋鎖骨部,(仙腸関節を含む)付着部および関節への異常集積
MRI(造影を含む):仙腸関節の変化,滑膜炎の有無
CT:仙腸関節の変化
超音波:付着部の変化

 

 
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