(旧版)線維筋痛症診療ガイドライン 2011

 
 
4章 鑑別診断
2.線維筋痛症と整形外科的疾患の鑑別

1.整形外科領域と線維筋痛症
arrow 線維筋痛症(fibromyalgia:FM)の主な症状である疼痛は主として筋骨格系領域に出現する。
arrow また線維筋痛症には,頭痛,抑うつ状態,睡眠障害,疲労,過敏性腸症候群などの様々な副症状を伴うことが多い。我々は過去に整形外科外来を受診した線維筋痛症の主訴を検討したが,患者は最も症状の強い部位を訴える傾向があるので,たとえば慢性腰痛症を主訴として来院した患者においても,強い肩こり症状や頸肩腕痛の有無について問診することは重要である。また逆に頸肩腕痛を主訴として来院した患者においても,腰痛や下肢痛の有無を調査する必要がある。この場合睡眠障害や疲労,抑うつ状態等の不定愁訴を伴う患者では特に線維筋痛症の随伴(合併)を念頭に置くことが必要である。全身の疼痛よりも最も疼痛の強い局所を主訴として訴える傾向は,西岡の線維筋痛症重症度分類ステージI,IIの比較的軽い線維筋痛症に多く,整形外科外来を受診する線維筋痛症患者の中でその割合は高い。
arrow ポイント:慢性腰痛症などのありふれた整形外科疾患であっても,特に不定愁訴を 伴っている場合には線維筋痛症の随伴を念頭に置く。

 

 
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