(旧版)線維筋痛症診療ガイドライン 2011

 
 
3章 診断基準

3.米国リウマチ学会分類基準(1990)の問題点
arrow 米国リウマチ学会分類基準を本邦人を対象に診断基準として用いると,高い有用度(86.9%)が得られたが,米国リウマチ学会症例に比して感度が有意(P<0.001)に低く,特異度が有意(P<0.0001)に高い値を示しており,本邦人には若干感度が低くなる。その要因は,本邦例では米国リウマチ学会分類基準(1990)で定義化されている圧痛点,疼痛の広がりが少ないことと,基準の検証に用いた本邦対照例では線維筋痛症と鑑別すべき心療内科,精神科疾患が多く含まれているが,米国リウマチ学会での対照には他のリウマチ性疾患のみであり,心療内科,精神疾患が含まれていないことによると考えられている。
arrow さらに,本基準については作成当初から多くの議論が絶え間なく続けられているが,本基準より妥当性の高い基準がいまだ存在しないため,現状では米国リウマチ学会分類基準(1990)を本邦人に対しても用いざるをえないのが現状であった。また,この基準は他の疾患に随伴して発症する,いわゆる二次性線維筋痛症例であっても,この基準を満たす場合は病型に関連なく線維筋痛症の存在を診断すべきであることを示している。

 

 
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