(旧版)線維筋痛症診療ガイドライン 2011

 
 
2章 本邦線維筋痛症の臨床疫学像

3.線維筋痛症の病型分類
arrow 線維筋痛症は既存のリウマチ性疾患をはじめ,各種疾患にしばしば随伴して発症することが知られている。したがって,かつては線維筋痛症単独で発症するものをprimary(一次性)線維筋痛症,他の疾患に伴って発症するものをsecondary(二次性)線維筋痛症と病型分類されていたが,現在はこれらを包括して線維筋痛症という疾患概念が一般的になってきている。一次性線維筋痛症と二次性線維筋痛症との比率は本邦例の検討から,3:1と一次性が優位である。二次性線維筋痛症の基礎疾患は本邦例(n=93)では関節リウマチ(35.5%)が最も多く,次いで,その他のリウマチ性疾患(シェーグレン症候群:24.7%,全身性エリテマトーデス:6.5%など)であり,残り(20.4%)は間質性膀胱炎などの様々な非リウマチ性疾患である(表2)。

表2 本邦線維筋痛症の合併病態
表2
厚生労働省研究班調査 2004,n=93

arrow その他の病型として,急性発症(acute onset)線維筋痛症と潜行性(insidious)線維筋痛症とがあり,急性発症例が多い。急性感染症,身体的外傷,ライフイベントを含めた精神的外傷などが急性発症の誘因となる。また,発症の引き金が明らかな場合には反応性(reactive)線維筋痛症と呼ばれることがある。これら病型のそれぞれの頻度については不明である。
arrow また本邦症例の解析から,治療との関連で症状および病型分類(西岡試案)が提案されている。すなわち,筋緊張亢進型,うつ型,筋付着部炎型および混合型の4型の分類であり,それぞれ35%,25%,15%,25%である5)


 

 
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