(旧版)糖尿病患者に対する歯周治療ガイドライン

 
III.糖尿病に関する基礎知識


3.歯科治療上,理解しておくべき糖尿病の病状と合併症
1)糖尿病性急性合併症(表3)
高度のインスリン作用不足は,急性の代謝失調を起こす。代表的なものは糖尿病ケトアシドーシスとケトン体の産生が少ない高浸透圧高血糖症候群である。いずれも脱水と高血糖により重症例では昏睡をきたす。両者を併せて,糖尿病昏睡と総称される。脱水と高血糖が主症状であり,初期治療の基本は,脱水の補正と電解質の補充,そしてインスリンの適切な投与である。できるだけ速やかに,専門医のいる医療機関に搬送する。
低血糖は糖尿病治療中にみられる頻度の多い緊急事態である。インスリンや経口血糖降下薬で治療中の糖尿病患者に起こりうる。血糖値が正常値をこえて急激に低下した際には,交感神経刺激症状として,発汗,不安,動悸,手指の震えなどが認められる。血糖値が50mg/dL以下に低下した際には,中枢神経症状として,頭痛,眼のかすみ,生あくび,めまい,空腹感,倦怠感,発汗,振戦,動悸,頻脈,意識レベルの低下,異常行動,けいれんなどが出現し,ブドウ糖が投与されない場合には,昏睡に陥る。
糖尿病患者は感染症にかかりやすい。肺結核,尿路感染症,皮膚の感染症に留意する。

表3 低血糖,高血糖の徴候・症状と対処法
低血糖の徴候と症状(血糖値40mg/dL以下)
あくび めまい 空腹感
倦怠感 発汗 振戦
動悸 頻脈
  痙攣発作

意識消失
  低血糖性昏睡
  • ブドウ糖の摂取により血糖値が回復すると症状も改善することが多い。
  • 低血糖性昏睡の徴候は重度の低血糖反応が起こる直前まで出現しないことがあるので注意が必要。
高血糖性昏睡
  • ストレス,発熱,感染が誘因となる
  • ケトアシドーシス,2型では高浸透圧高血糖症候群
  • 基本的救命処置の後,速やかに病院へ搬送しなければならない


 
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