(旧版)糖尿病患者に対する歯周治療ガイドライン

 
III.糖尿病に関する基礎知識


1.分類と診断
2)分類
糖尿病はその成因(機序)から,主として1型糖尿病と2型糖尿病に大別できる。このうち1型糖尿病は自己免疫性あるいは特発性に生じた膵臓のランゲルハンス島β細胞の破壊による絶対的インスリン量の不足を原因とする。小児や若年層における発症が多いが中高年層でも認められ,全糖尿病患者中に占める割合は5%以下である。一方,2型糖尿病はインスリン分泌低下やインスリン抵抗性,またはその両者を発症基盤とした相対的なインスリン作用不足を原因とするものであり,全糖尿病患者中の90%以上を占める。現在,わが国で激増している生活習慣病としての糖尿病は2型糖尿病であり,もともとインスリン分泌能が低いという日本人特有の遺伝的背景に加えて,過食(とくに高脂肪食)や運動不足による肥満に伴うインスリン抵抗性が原因となって高血糖をきたす。
一方,病態(病期)からの分類も行われる。糖尿病はその病型にかかわらず,それぞれ膵β細胞の疲弊の程度とインスリンの標的臓器(肝臓,筋肉,脂肪組織など)におけるインスリン抵抗性の程度によって,インスリンへの依存状態が異なる。インスリンが絶対的に不足し,生命の維持のためにインスリン治療が不可欠な場合はインスリン依存状態であり,古典的な1型糖尿病がこれに該当する。食事療法・運動療法,経口薬で血糖が良好に管理される場合はインスリン非依存状態である。しかし,たとえ2型糖尿病であっても,清涼飲料水の多飲などによってケトアシドーシスに至り,救命のためにインスリン治療が必須になることもある。目の前の患者さんにおけるインスリン治療への依存度は,いずれの病型でも0から100%までの間にある。従って,臨床上,糖尿病は成因と病態の両面から捉えるとよい(図1)。

図1 糖尿病における成因(発症機序)と病態(病期)の概念
図1:糖尿病における成因(発症機序)と病態(病期)の概念
(日本糖尿病学会編 糖尿病治療ガイド2008〜2009)


 
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