(旧版)糖尿病患者に対する歯周治療ガイドライン

 
III.糖尿病に関する基礎知識


1.分類と診断
1)糖尿病とは
糖尿病とは,インスリン作用不足による慢性の高血糖状態を主徴とする代謝疾患群である。インスリン作用不足はインスリン供給不足とインスリン抵抗性の増大により起こり,その発症には遺伝因子と環境因子がともに関与している。近年,1型糖尿病,2型糖尿病ともに,その関連遺伝因子に関する研究が精力的に進められ,いくつかの候補遺伝子が列挙されている。しかし,その詳細はいまだ不明である。発症の引き金となる環境因子は,1型糖尿病については,ウィルス感染,食餌性の因子,化学物質,2型糖尿病では過食,運動不足,その結果としての肥満などである。
インスリン作用不足によって,糖代謝のみならず,蛋白質代謝や脂質代謝も障害される。持続する中等度以上の高血糖によって,糖尿病の特徴的な症状である,口渇,多飲,多尿,体重減少,易疲労が出現する。急激かつ著しいインスリン作用不足により,ケトアシドーシスや糖尿病昏睡をきたす場合もある。しかし,一般的には無症状か症状があっても軽度なので,患者は病識を持たないことが多い。しかし,著しい代謝異常がなくても,慢性的な高血糖の持続によって糖尿病に特有な細小血管症と大血管症が発症・進展する。とくに大血管症は,高血圧,肥満,脂質代謝異常の合併により,そのリスクはさらに高まる。


 
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