(旧版)関節リウマチ診療ガイドライン 2014
第4章 ガイドライン作成に用いた資料一覧 |
エビデンスのまとめ |
CQ ナンバー | 3 | 担当者 | 川人 豊 |
カテゴリー | MTX 1 | ||
CQ | csDMARD(従来型抗リウマチ薬)未投与,MTX以外のcsDMARD(従来型抗リウマチ薬)不応性RA患者において,MTX単独療法はMTXとMTX以外のcsDMARD(従来型抗リウマチ薬)併用療法に比較して,効果と副作用における有用性が高いか? | ||
推奨文 | MTX以外のcsDMARD(従来型抗リウマチ薬)不応性RA患者に対してMTXの投与を推奨する。 | 推奨の強さ | 強い | 同意度 | 5.00 |
解説 | MTXとMTX以外のcsDMARD(従来型抗リウマチ薬)併用療法がMTX単独療法より有効性が高いかは,RAの治療戦略のなかで重要な意味をもつ。コクランレビューからのエビデンスに基づくと,csDMARD(従来型抗リウマチ薬)未投与,MTX以外のcsDMARD(従来型抗リウマチ薬)不応性RA患者において,併用療法はMTX単独療法と比較して,有効性,効果の消失および毒性による中止に有意な差は認めず,また併用療法では副作用が増加することが示されている。csDMARD(従来型抗リウマチ薬)未投与RA患者ではMTX単独療法からの開始,またMTX以外のcsDMARD(従来型抗リウマチ薬)不応性RA患者では,追加したMTXの有用性が高いことが示唆されている。 | ||
Q | csDMARD(従来型抗リウマチ薬)未投与,MTX以外のcsDMARD(従来型抗リウマチ薬)不応性RA患者で,MTX単独療法は併用療法に比べ有用性が高いか? | ||
A | csDMARD(従来型抗リウマチ薬)未投与,MTX以外のcsDMARD(従来型抗リウマチ薬)不応性RA患者で,MTX単独療法は併用療法に比べ有用性が高い。 |
エビデンスサマリー
2010年に発表されたコクランレビューでは,計19RCT(2,025名)が選ばれた。csDMARD(従来型抗リウマチ薬)未投与,MTX以外のcsDMARD(従来型抗リウマチ薬)不応性のRA患者において,MTX単独療法とMTXとMTX以外のcsDMARD(従来型抗リウマチ薬)との併用療法の効果,効果の消失および毒性による中止について,有意な差は認めなかった。 このコクランレビューの解析対象となった臨床試験では,MTXの使用量は7 〜15mg/週であり,現在のMTX使用量に応じた検討が必要であることが示唆されている。体重あたりの評価量でもなく,人種による薬剤感受性を考慮に入れてはいないが,日本のMTX使用量とほぼ一致する。また,1つの臨床試験のみであるが,MTX+サラゾスルファピリジン+hydroxychloroquineはMTX単独療法より,効果と毒性のバランスがよいことを示していた。このコクランレビューは,バイアスリスクは低い。
エビデンスの質 (GRADE) |
low |
該当するコクランレビュー | あり |
書誌情報 | Katchamart W, Trudeau J, Phumethum V, Bombardier C. Methotrexate monotherapy versus methotrexate combination therapy with non-biologic disease modifying anti-rheumatic drugs for rheumatoid arthritis. Cochrane Database of Systematic Reviews 2010, Issue 4 . |
DOI | 10.1002/14651858.CD008495 |