(旧版)関節リウマチ診療ガイドライン 2014
第2章 関節リウマチ診療ガイドライン2014 |
手術 2
CQ68 | RAの肩関節障害に対する人工肩関節全置換術は,上腕骨人工骨頭置換術よりも臨床成績が優れているか? | |
推奨23 | RA患者の肩関節障害に対する人工肩関節全置換術,上腕骨人工骨頭置換術をともに推奨する。 | |
推奨の強さ:弱い 同意度:4.39 |
解説 CQ68
RAの肩関節障害に対する人工肩関節全置換術(total shoulder arthroplasty;TSA)と上腕骨人工骨頭置換術を比較したエビデンスは限られており,RAにおけるTSAの臨床成績が上腕骨人工骨頭置換術の成績より優れているというエビデンスはない。RAの肩関節障害に対しTSAと上腕骨人工骨頭置換術はともに優れた除痛効果が報告されており,機能および可動域の改善においても2つの手術方法に大きな差はない。TSAにおけ肩甲骨コンポーネントのゆるみの発生は少なくはないが,上腕骨人工骨頭置換術においては骨頭の中心性移動の問題がある。
腱板の状態が手術後の機能に大きく影響し,腱板の温存されているRA肩関節障害の場合にTSAの臨床成績は良好であり,また再置換率は低いと報告されている。軟部組織の状態にも注意しながら手術治療を検討したい。近年,人工肩関節および人工骨頭の機能・品質が向上していることから,RA肩関節障害に対し習熟した技術をもってTSAまたは上腕骨人工骨頭置換術を施行することにより,より良好な成績を期待することができると考えられる。
References 1
▶CQ作成時の基本となったシステマティックレビュー
1) | Christie A, Dagfinrud H, Engen Matre K, Flaatten HI, Ringen Osnes H, Hagen KB. Surgical interventions for the rheumatoid shoulder. Cochrane Database of Systematic Reviews 2010, Issue 1. |
References 2
▶追加解析に用いた文献など