(旧版)関節リウマチ診療ガイドライン 2014
第2章 関節リウマチ診療ガイドライン2014 |
bDMARD(生物学的製剤)8
CQ66 | bDMARD(生物学的製剤)を休薬して手術を行ったほうが,bDMARD(生物学的製剤)を休薬しないで行うよりも,有害事象(SSI,フレアアップ)の発生は少ないか? | |
推奨21 | 整形外科手術の周術期にはbDMARD(生物学的製剤)の休薬を推奨する。 | |
推奨の強さ:弱い 同意度:4.59 |
解説 CQ66
周術期のbDMARD(生物学的製剤)の継続は手術部位感染(SSI),創傷治癒遅延などの合併症のリスクを上げる可能性がある。また,休薬によりRAの再燃が生じるおそれがあり,世界各国のガイドラインでは半減期を考慮した休薬を推奨している。TNF阻害薬以外のbDMARD(生物学的製剤)に周術期の休薬の要否に関する明確なエビデンスはない。本ガイドラインでは整形外科手術の周術期にbDMARD(生物学的製剤)を休薬した群と継続した群を比較した試験に絞り込んだが,いずれも後方視的試験であり,推奨の強さは弱いとなった。CQ75,76も参照されたい。
References 1
▶CQ作成時の基本となったシステマティックレビュー
1) | なし |
References 2
▶追加解析に用いた文献など
bDMARD(生物学的製剤)
RA患者におけるbDMARD(生物学的製剤)の有用性に関するエビデンスは豊富であり,開発時点で質の高いRCTが行われている。疾患活動性制御,関節破壊制御,機能障害制御やMTXで効果不十分の症例に対して高い効果がみられた。また,有害事象による薬剤中止,重篤有害事象,感染症,死亡のいずれも増加させるとの根拠は認められなかった。
さらに,患者の価値観に関するアンケート調査およびフォーカスグループでは,bDMARD(生物学的製剤)に対する患者の強い期待が明らかになる一方,高額なコストが導入の際に支障となっていることが明らかとなった。
さらに,患者の価値観に関するアンケート調査およびフォーカスグループでは,bDMARD(生物学的製剤)に対する患者の強い期待が明らかになる一方,高額なコストが導入の際に支障となっていることが明らかとなった。