(旧版)関節リウマチ診療ガイドライン 2014
第2章 関節リウマチ診療ガイドライン2014 |
MTX 1
CQ1 | MTX以外のcsDMARD(従来型抗リウマチ薬)不応性RA患者において,MTXの投与は投与しなかった患者に比較して疾患活動性を抑制するか? | |
CQ2 | RA患者において,MTXの投与は投与しなかった患者に比較して関節破壊を抑制するか? | |
CQ3 | csDMARD(従来型抗リウマチ薬)未投与,MTX以外のcsDMARD(従来型抗リウマチ薬)不応性RA患者において,MTX単独療法はMTXとMTX以外のcsDMARD(従来型抗リウマチ薬)併用療法に比較して,効果と副作用における有用性が高いか? | |
推奨1 | MTX以外のcsDMARD(従来型抗リウマチ薬)不応性RA患者に対してMTXの投与を推奨する。 | |
推奨の強さ:強い 同意度:5.00 |
解説 CQ1
RA患者治療におけるMTXは,EULAR のリコメンデーションをはじめとして,各国のガイドラインでもRA治療の第1選択薬と位置付けられている。コクランレビューにおいては,1997年にすでにMTXの有効性が示されており,現在までにそのエビデンスに変わりはない。最初に使用するcsDMARD(従来型抗リウマチ薬)としてだけでなく,MTX以外のcsDMARD(従来型抗リウマチ薬)不応性RA患者にも,副作用に留意した投与が推奨される。
解説 CQ2
MTXは海外で1990年代初期に承認されたため,関節破壊抑制効果に関してSharpスコアなどの関節破壊評価指標を使用しプラセボと比較した研究は少ないが,関節炎抑制効果は他の経口csDMARD(従来型抗リウマチ薬)に比較し優れており(CQ 1 ),関節破壊抑制効果はbDMARD(生物学的製剤)と比較すると低いが,MTX単独療法でも関節破壊の進行のない患者が認められることより,関節破壊抑制効果は存在する。ただし,MTX単独療法で発症早期でも関節破壊抑制が難しい場合もあるため,さらなる追加治療を検討する症例が日常臨床で存在する。
解説 CQ3
MTXとMTX以外のcsDMARD(従来型抗リウマチ薬)併用療法がMTX単独療法より有効性が高いかは,RAの治療戦略のなかで重要な意味をもつ。コクランレビューからのエビデンスに基づくと,csDMARD(従来型抗リウマチ薬)未投与,MTX以外のcsDMARD(従来型抗リウマチ薬)不応性RA患者において,併用療法はMTX単独療法と比較して,有効性,効果の消失および毒性による中止に有意な差は認めず,また併用療法では副作用が増加することが示されている。csDMARD(従来型抗リウマチ薬)未投与RA患者ではMTX単独療法からの開始,またMTX以外のcsDMARD(従来型抗リウマチ薬)不応性RA患者では, 追加したMTXの有用性が高いことが示唆されている。
MTXとMTX以外のcsDMARD(従来型抗リウマチ薬)併用療法がMTX単独療法より有効性が高いかは,RAの治療戦略のなかで重要な意味をもつ。コクランレビューからのエビデンスに基づくと,csDMARD(従来型抗リウマチ薬)未投与,MTX以外のcsDMARD(従来型抗リウマチ薬)不応性RA患者において,併用療法はMTX単独療法と比較して,有効性,効果の消失および毒性による中止に有意な差は認めず,また併用療法では副作用が増加することが示されている。csDMARD(従来型抗リウマチ薬)未投与RA患者ではMTX単独療法からの開始,またMTX以外のcsDMARD(従来型抗リウマチ薬)不応性RA患者では, 追加したMTXの有用性が高いことが示唆されている。
References 1
▶CQ作成時の基本となったシステマテックレビュー
References 2
▶追加解析に用いた文献など