有効性評価に基づく前立腺がん検診ガイドライン

 
IV.結果

2. 検診方法の証拠

系統的総括の段階で、各検診方法について吟味し、最終的に直腸診及びPSAのいずれも単独法のみを検討対象とし、併用法としては検討しないこととした。各検診方法別の検査の概要、直接的証拠、間接的証拠、不利益及びその他の要因は以下のとおりである。
各検診方法に関する引用論文については、添付書類4のエビデンス・テーブルとして、その結果をまとめ、その詳細は検査方法別の構造化要約に示した。さらに、添付書類4のエビデンス・テーブルの結果に基づき、各検診方法別の証拠のレベルを判定した。証拠のレベルの判定に用いた直接的証拠と、証拠のレベルの評価に最終的には利用しなかったが間接的証拠として以下に提示したものは表7に示した。


表7 前立腺がん検診の証拠のレベルと根拠となる研究

検診方法

証拠のレベル

文献総数
直接的証拠(AF1):死亡率減少効果 間接的証拠(AF2-8)
系統的総括
(メタ・アナリシス)
RCT コホート研究 症例対照研究 時系列・地域相関研究 AF2 AF3 AF4 AF5・6 AF7・8
文献数 有効
(有意差あり)
文献数 有効
(有意差あり)
文献数 有効
(有意差あり)
文献数 有効
(有意差あり)
文献数 有効
(有意差あり)
受診者
(ハイリスク)
検査精度 過剰診断 精密検査 治療
直腸診 2- 6 0 0 0 0 0 0 4 1 1 1 0 1      
PSA 1-/2- 67 1 0 3 1 1 0注1) 3 2 15 5 2 12注2) 6 13 10
AF:Analytic Framework (図1参照)
RCT:Randomized Controlled Trial(無作為化比較対照試験)
PSA:Prostate Specific Antigen(前立腺特異抗原)
注1) 前立腺がん死亡に有意な減少を認めるが、全死因死亡にも有意な減少を認める。この結果、著者らはhealthy screening effectを示唆する結果としている。
注2) 直腸診と重複する1文献を含む。


【参照】
VI.考察 3.推奨決定に至る論点

 

 
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