(旧版)不整脈の非薬物治療ガイドライン(2006年改訂版)

 
VII.外科手術

 
(3)心室頻拍

Class I:
  1. 器質的心疾患に伴う単形性持続性心室頻拍を有し,薬物療法,カテーテルアブレーション,植込み型除細動器が無効ないし使用できず,再現性をもって心室頻拍が誘発される場合
  2. 薬物療法が無効で,重篤な症状またはQOLの著しい低下を伴う特発性持続性心室頻拍で,カテーテルアブレーションが不成功あるいは再発した場合
Class IIa:
  1. 心筋梗塞に合併した単形性持続性心室頻拍で,心室瘤あるいは左室壁運動異常に起因する心不全や血栓塞栓症を伴う場合

器質的心疾患に伴う心室頻拍においては,アミオダロン,ソタロールなどの薬物療法,カテーテルアブレーション,植込み型除細動器が治療の主役であるが,これらの治療法が無効あるいは施行不可能な場合は手術療法の適応となる238,367,368,369,370,371,372).単形性持続性心室頻拍では,術前あるいは術中のマッピングにより頻拍起源あるいはリエントリー回路の局在を同定することが頻拍の根治に重要であることが示されている371,372).一方,心室細動あるいは多形性心室頻拍ではマッピングは困難あるいは不可能で,外科治療の有効性も低い.また,心筋梗塞に合併した単形性持続性心室頻拍では,心室瘤あるいは左室壁運動異常に起因する心不全や血栓塞栓症に対する心室瘤切除術や左室形成術などの外科手術を行う際,同時に心室頻拍に対しても不整脈手術を行う適応がある331)
薬物療法が無効で,重篤な症状またはQOLの著しい低下を伴う特発性心室頻拍では,カテーテルアブレーションによる治療成績が優れているが,心内膜アプローチによるカテーテルアブレーションでは焼灼不可能な心外膜起源頻拍やカテーテルアブレーション不成功例あるいは再発例では手術療法が適応となる.

 

 
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