(旧版)不整脈の非薬物治療ガイドライン(2006年改訂版)

 
V.植込み型除細動器

 
(5)小児における植込み型除細動器

小児に対する植込み型除細動器植込み数は少なく,全植込みの1%以下である317,318,319,320).従って,成人に対する植込み型除細動器のようなガイドラインを作成することは,現段階では困難である.小児に対する植込み型除細動器植込みの適応はほぼ成人と同様であるが314,319,321,322,323,324,325),小児では虚血性心疾患に伴うものが少なく,先天性心疾患など成人ではまれな疾患が多く含まれる特徴を有する.また,突然死のリスクの高い若年者の肥大型心筋症,QT延長症候群,運動誘発性多形性心室頻拍326)など成人と異なった適応基準を必要とする疾患もある.
植込み型除細動器の小型化と経静脈的植込みが可能となったことより,小児に対する植込みの適応は拡大された.抗不整脈薬の長期投与における服薬コンプライアンス低下や副作用などは,小児の心室頻拍・心室細動例における問題点であり,植込み型除細動器は小児にとって重要な治療戦略となることが考えられる.しかし,植込み型除細動器の大きさは体重の少ない小児に対してまだ大き過ぎること,植込み型除細動器作動に対する精神的ケアが成人以上に重要であることなど,小児特有の問題もあり,植込み適応決定において念頭に置く必要がある.

 

 
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