(旧版)不整脈の非薬物治療ガイドライン(2006年改訂版)

 
IV.カテーテルアブレーション

 
(7)小児における特殊性

小児に対するカテーテルアブレーションの適応例は先天性心疾患合併例及びインセサント型頻拍で頻拍誘発性心機能障害合併例199)などの重症例も多い.アブレーション部位が中隔である症例の房室ブロックなどの頻度は成人よりも高いが,近年の報告では,小児では乳児期においても安全性及び合併症の頻度は成人と有意差がないことも報告されている200,201,202,203).器質的心疾患のない乳児の頻拍は高率に自然軽快が期待できるが,先天性心疾患合併例では自然軽快が少なく,術後不整脈は手術成績に大きく関与する.小児に対するアブレーション適応の考え方を参考に記す.1)乳児期では頻拍の自然軽快を考慮して薬物治療が原則である.ただし,心原性ショック既往,頻拍誘発性心筋障害などの重症例は症例に応じて適応を考慮する.2)1歳以上では,重症例は適応となり,ジギタリス及びβ遮断薬では頻拍の管理が困難で,Na及びKチャネル遮断薬必要例は症例に応じ適応を考慮する.また先天性心疾患症例に関しては,術後予後を改善するために術前に適応を考慮する.3)5歳以上では,抗不整脈薬を必要とする頻拍は適応を考える.4)13歳以上では,症状を有し,QOL低下があれば適応.症状のないWPW症候群は,副伝導路不応期からハイリスク群と判断されれば症例により適応を考慮する.5)いずれの年齢おいても心機能低下のない無症候性頻拍は適応としない204,205,206,207,208,209,210,211,212,213,214,215)

 

 
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