(旧版)不整脈の非薬物治療ガイドライン(2006年改訂版)

 
IV.カテーテルアブレーション

 
(4)上室性頻脈性不整脈に対する房室ブロック作成術

Class I:
  1. 重篤な症状あるいは頻拍による心不全を有し,薬物治療が無効または副作用のため使用不能な上室性頻脈性不整脈で,上室性不整脈に対するカテーテルアブレーション治療が不成功または施行できない場合
Class IIa:
  1. QOLの低下が著しく,薬物治療が無効または使用不能な上室性頻脈性不整脈で,上室性不整脈に対するカテーテルアブレーション治療が不成功または施行できない場合
Class IIb:なし

Class III:
  1. 房室伝導を温存した方が有利だと考えられる場合

上室性頻脈性不整脈に対するカテーテルアブレーション治療が成功した場合には房室ブロック作成術は必要ないが,不成功であった場合や,何らかの理由で実施できない場合には十分に考慮すべき治療法である.特に頻脈による心不全の悪化が考えられる場合には,房室ブロック作成術による心室拍数コントロールが必須となることがある168).しかし,この治療ではペースメーカーを挿入する必要があること,また,心室ペーシングによる心室収縮の同期不全が新たな問題を引き起こす可能性を十分に知っておくべきである.また,房室結節の遅伝導路など,一部を焼灼して,房室伝導比を低下させる治療法(房室伝導修飾術)も試みられているが,一般的に,心室拍数コントロールが不十分なこと,更に心拍の規則性が得られないことより,房室ブロック作成術が選択される傾向にある.

 

 
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