(旧版)不整脈の非薬物治療ガイドライン(2006年改訂版)
IV.カテーテルアブレーション |
(3)心房粗動・心房頻拍
心房頻拍
Class I:
- 症状を有する頻拍起源の限局した心房頻拍で薬物治療が無効または副作用のため使用不能な場合
- 症状を有する頻拍起源の限局した心房頻拍で薬物治療が有効な場合
- 症状のない心房頻拍で器質的心疾患を有し心室機能低下を伴う場合
- 症状のない心房頻拍で心室機能が正常な場合
心房頻拍には,異常自動能(異所性自動能,撃発活動)やマイクロリエントリーによる局所発生的なものと,マクロリエントリーによるものがあるが,後者は峡部非依存性の心房粗動との区別が曖昧である33,173,174,175,176).局所発生的なものには,洞結節領域のリエントリー性頻拍(洞結節リエントリー性頻拍),房室結節領域のリエントリー性心房頻拍,その他の領域の頻拍があり,また不適切な洞性頻脈は若い女性に好発する頻脈性不整脈である177,178).洞結節や房室接合部領域の頻拍に対するアブレーション治療は,洞機能不全,房室伝導障害の合併症を招く可能性がある.従って心房頻拍でも洞結節,房室結節領域の場合はカテーテルアブレーションは通常実施しない.