(旧版)不整脈の非薬物治療ガイドライン(2006年改訂版)

 
III.心臓ペースメーカー

 
(1)房室ブロック

Class I:
  1. ブロック部位に関わらず,徐脈による明らかな臨床症状を有する第2度,高度または第3度房室ブロック
  2. ブロック部位に関わらず,高度または第3度房室ブロックで以下のいずれかを伴う場合
    (1) 投与不可欠な薬剤によるもの
    (2) 改善の予測が不可能な術後房室ブロック
    (3) 房室接合部のカテーテルアブレーション後
    (4) 進行性の神経筋疾患に伴う房室ブロック
    (5) 覚醒時に著明な徐脈や長時間の心室停止を示すもの
Class IIa:
  1. 症状のない第2度,高度または第3度房室ブロックで,以下のいずれかを伴う場合
    (1) ブロック部位がHis束内またはHis束下のもの
    (2) 徐脈による進行性の心拡大を伴うもの
    (3) 運動または硫酸アトロピン負荷で伝導が不変もしくは悪化するもの
  2. 徐脈によると思われる症状があり,他に原因のない第1度房室ブロックで,ブロック部位がHis束内またはHis束下のもの
Class IIb:
  1. 症状のない高度または第3度房室結節内ブロックで,覚醒時に著明な徐脈や長時間の心室停止がない場合
  2. 至適房室間隔設定により血行動態の改善が期待できる心不全を伴う第1度房室ブロック
Class III:
  1. 症状のない第1度房室ブロック(脚ブロックを有するものを含む)
  2. 症状のないWenckebach型第2度房室ブロック
  3. 一過性で,原因を取り除くことにより改善し,かつ再発もしないと思われる房室ブロック(薬剤性など)

房室ブロックの部位,程度,及び症状を考慮して適応を決定するが21,22,63,64,65,66,67,68),最も重要なのはブロックに伴う徐脈に起因する症状の有無である.高度または第3度房室ブロックでは,投与不可欠の薬剤によるものや手術69),アブレーション後で不可逆的なもの,あるいは著明な徐脈や長時間の心停止を認めるものは70),ブロックの部位に関わらず適応ありと考える.この際,徐脈や心停止の程度として具体的な数値を挙げるのは困難であるが,心室拍数<40/分,心室停止>3秒を参考値として示す71,72)

 

 
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